地区予選まであと一週間を切ったのに、面白くない。
「あんまり沢渡とばっかりくっつくなよ」
やけに張り切りすぎてないか?教えたいことがたくさんある、とか何とか言って。
「あら、祐輔だって沢渡くんに愛されてるじゃないの。花束抱えて待っててくれたんだから」
・・・あれには参った。アイツがバラの花束・・・ハマりすぎる。まるで少女漫画の世界じゃないか。確かに嬉しかったけど、辺りに人がいなくてよかったとも思う。照れくさかったな。
「それに沢渡くん、祐輔のためにこの間の脚本を訳してくれるって」
「それは、俺だけのためじゃないだろうが」
「本当は、言葉が美しいので原語で上演してみたいんだけどね」
・・・うるさいな、勝手にしろよ。どうせ俺は頭が弱いよ。でも成績がよければいいってもんでもないだろうが。
・・・全く、面白くない。