園田先輩が3日間停学になったという話を聞いた。・・・ざまあ見ろって。でも兼古先輩は本当に大丈夫なのか?・・・を確かめたいのだけど、疲れてしまってそれどころではない。
「沢渡さん、お風呂にお入りください。疲れが取れますよ」
「・・・でも眠いんだ、しばらく寝かせて」
部屋に戻ってきてソファーに横になったら、もう動けない。
「睡眠時間を分割すると余計に疲れますから、さあ、お風呂に」
・・・ダメだ、意識が闇に引きずり込まれる。
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ああ、困ったな。沢渡さんはすっかりお休みになってしまわれた。これだけ働けば無理もないが、どうしたものかな?とりあえずネクタイを外して胸元を楽にする。・・・どうせなら着替えさせてあげたいのだけど、折角お休みになられているのに起こしてしまっては申し訳ない。・・・でも服が皺になってしまう。・・・脱がせてあげてもよいものか、迷う。
でもしょうがない。とりあえず毛布をかけて差し上げる。・・・その時に拝見した、沢渡さんの寝顔の綺麗なこと。思わず触れたくなってしまったが・・・、側近が変な気を起こしてはいけない。
そしてお風呂の湯加減をチェックし、いつでも入っていただけるようにしておく。お腹は空いていらっしゃらないのかな?また、湯上りに飲んでいただきたいドリンクの仕上げはどうしようか?・・・いつお目覚めになるのか。ここで待っているべきなのか、置き手紙でもして帰ったほうがいいのか。・・・でも私は側近だ、責任がある。
私は電話を取り出し、結城さんに事情を説明しようと思った。
“大丈夫、放っておけばいい。しばらくすれば起きると思うから”
「では私はどうすればよいのでしょうか?」
“部屋に帰っていいよ。後で俺が様子を見に行くから”
「そうですか。ではよろしくお願いします」
細長い身体が、ソファーを埋め尽くすように伸びている・・・やっぱり窮屈そうだ。・・・でもその居心地の悪さで目が覚めるのかもしれない。後は結城さんにお任せしておこう。
一応メモを残して・・・、もう一度、沢渡さんのほうに視線を向けると、うっかりドッキリしてしまいそうな、天使の寝顔があった。・・・そろそろ慣れないといけない。