11/17 (火) 16:30 Pink Ribbon Day

先日、男性から女性に贈り物をする日、Pink Ribbon Dayがあった・・・。私には関係なかったけど。ところで、沙紀が好きな人って誰だろう?

「隣のクラスの男子だよ。由利くんって知ってる?」

ああ、確かバスケ部の。・・・どうしてまた?

「この間ね、たまたま玄関で一緒になったんだけど、どうぞって先に通してくれたときの仕草が凄くカッコよかったのよ」

「え~、それで好きになっちゃったの?」

「別にきっかけは何でもいいでしょ?体育会系で身体もがっちりしているのに、エレガントだったの。そういうギャップがいいのよ」

・・・そうかな~、私には、身体は凄く大きいのに童顔だっていうギャップのほうが面白い気がするけどね。

「彼には今彼女はいないの?」

「分からないけど、そういうところはまだ見たことがない。・・・っていうか、話したこともない」

・・・そっか。でも私も、園田先輩のことは全然知らなかったのに告白された。そういうこともあるのかな?

「それで相談なんだけど、いきなり告白したほうがいい?それとも、しばらくは友達でいたほうがいい?」

う~ん。

「その前に、もっといろいろリサーチしてみたら?行動パターンを調べてから近づこうよ」

「じゃあ、協力してくれる?」

「それはもちろん」

・・・私も、これからは気にしてみることにしよう。

放課後、部活が終わって沙紀と廊下を歩いていると、あちこちで人影が見られた。・・・そうやってまた、クリウスにはカップルが増えていくのね。私にはただ悲しいだけだよ。

そして玄関に着くと、巨大な人影が誰かを待っているのが見えた。

「和泉さん、ちょっといいかな?」

・・・ウソ、例の由利くん!?こんなことがあってもいいの?

でも私は明らかに邪魔者だった。・・・ここから立ち去らなくては。・・・あまりのショックにバイバイを言うことも忘れて、私は車へと駆け出して行った。世の中は不条理すぎる。

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