深刻に考えすぎないこと、と言われてもね・・・。でも貴くんに会えたことで心が軽くなったことは確か。開き直って堂々としていればいいのよね。貴くんは何があっても気にしないって言っているわけだから。
「杉浦先生他、この学校を離れる先生方のためのお別れ会を開こうと思うのですが、ご都合はいかがでしょうか?」
日時は終業式が終わってから。私としては卒業式が終われば授業もないので、その間に片付けごとが出来る。だから、終業式の頃にはもう大丈夫。
「はい、喜んで出席させていただきます」
「では、よろしくお願いしますね」
でも、その頃貴くんは空いているかな?一緒に来たがると思うけど、わざわざ呼ぶのも迷惑だし、何よりもこれは私の職場の問題だしね・・・聞いてみるまでもないか。自分のことは自分で解決しなきゃ。
そして夜。今日も何通かモーリス殿下からメールが届いて返事をした。これもまた、自分で解決しなければならない問題なのだろう。
“ごめんなさい。殿下のことはとても心配ですけど、今、私のことが世間で噂されたり、私自身仕事が忙しい時期でもあったりするので、ご相談に乗れません。もう少し時間を置いてからまたご連絡ください”
・・・こう書くのが私にできる精一杯かな?
と思っていたら、今度は電話がかかってきた。・・・出るしかない?
“申しわけありません。Maiさんに迷惑をかけるつもりはなかったのですが、結果的にそうなってしまったことは謝ります”
・・・という内容もそうだけど、また言葉が上達されている。この方は日頃何をなさっているのか。
「いえ、私の方こそ申しわけありません。このところイライラすることが多かったものですから」
“僕でよければ伺いましょうか?”
・・・だから、あなたのことがストレスの原因になっているんですってば!とは申し上げられない。
「大丈夫です。ご心配には及びません。昨日も彼に会って話を聞いてもらいましたから」
“そうですか。・・・僕にとってはMaiさんがその相手なんですよ”
はい?
“Maiさんは僕にとっての癒しの存在なのです。これからも友達でいてください”
・・・友達でというのは別に構わないのですが、度を超えてはいませんか?
「でしたら、今はそっとしておいてください。お願いします」
・・・どうしようかな?貴くんに相談しようかな?・・・でもメールのやり取りをしていたことが知れたら、怒られるかな?