4/4 (月) 13:00 いきなり・・・

春休みだけど、新入生歓迎会が近づいているということで午前中は部活がある。休んだほうがいいかと思ったのだけど、

「行って来い。別に響だっていつも宮殿にいるわけじゃないだろ?」

とあっさり結城に言われ・・・というか、殿下の場合は宮殿にいらっしゃらないことが多いのだけど、それはもちろん仕事をなさっているからで・・・、でも部活も、僕が行かないと部長や兼古先輩が困ってしまうからね。 Continue reading “4/4 (月) 13:00 いきなり・・・”

4/3 (日) 23:30 ペースに流されて

昨夜、有紗さんは殿下の爆弾発言について何もおっしゃらなかった。僕たちの仲は相変わらず秘密のままで・・・、思えば、付き合い始めてからもうすぐ一年になるのに、何も変わっていない。でもそれもこれも、僕が半人前だからなのだろう。まだ高校生というのにも問題がある。これから数日、殿下の代理を務めさせていただくので、その間に少しでも認めていただけるように頑張らないと。 Continue reading “4/3 (日) 23:30 ペースに流されて”

4/2 (土) 23:00 歓迎会

両陛下との食事は、滞りなく進んだ。最初はかなり緊張していたようだが、陛下が気を遣っていろいろなことを話してくださったおかげで、表情はかなり和らいでいた。でも、食事はあまり進んでいなかった・・・。

よって、二次会の始まり。引っ越したばかりの沢渡くんの部屋に結城や朝霧くんも集まって、気さくな場を設けることにした。 Continue reading “4/2 (土) 23:00 歓迎会”

4/1 (金) 22:00 前途多難?

新しい年度の始まり。

宮殿には新入宮者が一同に介し、僕は殿下の隣で迎える側として出席させていただいた。ここにいる人たちはまだ僕よりも年上の人ばかり。でもあと2年もすれば同い年の人も入ってくるわけだから、それまでに僕は出来るだけ多くのことを身につけておきたいと思う。・・・ただ、僕自身はいつ入宮したことになるのだろう?もちろん物理的には、幼稚園を卒園してから、ということになるのだけど、式には出席しなかった。王宮人としての自覚が出てきたのはいつだったかな? Continue reading “4/1 (金) 22:00 前途多難?”

Introduction

「学園の貴公子」は、ホーンスタッド王国にあるクリウス学園高等学校を舞台に、次期皇太子である高校生、沢渡希くんとその周囲の人々の様子を描いた小説です。

実は、このシリーズで一番最初に書いたのがこの作品です。当初は、1999年12月1日~2001年4月1日に月2回程度更新をしていたのですが、2学期分からは、小説内のエピソードと同じ日時に更新するタイムリー更新を始めました。

その後、『学園の貴公子第2章』、『王宮の貴公子』と1日1話のタイムリー更新をしたあと、遡って、沢渡くんが1年生のときを描いた『学園の貴公子序章』もタイムリー更新したのですが、ずっと思っていたんですよね、『学園の貴公子』も1日1話形式に書き換えたいな、と。

更にその後、もともと小説を掲載していたサイトが何故か見られなくなり、2015年4月から『学園の貴公子序章』をnoteに引っ越し、2016年4月から『学園の貴公子』を1日1話形式で更新し始めました。

しかし、この年は、ワタクシが社会人大学生として、文学部の卒業論文提出を控えておりました。…今思うと不思議なくらいなのですが、その多忙な時期でもちゃんと毎日更新していたんですよね。しかし卒業が決まった3/10を境に、どうやら緊張の糸が切れてしまったらしく、更新がストップしてしまいました。…未だに3/11~3/31の分がないのです(汗)。

ということで、今回こそは!と、何度目かの正直で、話をつなげていきたいと思っております。基本的には1日2話更新で、できるだけエピソードと同じ時間帯に更新することを心がけていきます(が、必ずしも予約投稿の時間には更新されないみたい!?)。

それでは、まずは、前作『学園の貴公子序章』の復習からどうぞ。

 

―『学園の貴公子序章』あらすじ―

幼稚園卒園後に入宮し英才教育を受けてきた沢渡希は、社交性を身につけるためにクリウス学園高等学校に入学する。クリウス学園は名家の子息令嬢が多く通う一流校。しかし沢渡は庶民の生まれであることから、なかなか周囲に馴染めないでいる。

それでも成績は常に学年トップ、そして並外れた美貌の持ち主であり、統率力に優れていることから、徐々に頭角を現していく。また、演劇部での活動や、信頼できる兼古先輩との出会いは、彼の高校生活を豊かなものにしていく。しかし、同じ演劇部の上柳さんとのトラブルは、彼の心に爪痕を残すことになる。

一方王宮生活は順調である。次期皇太子として徐々に国務に携わるようになっており、また、恋人有紗との関係も公にできないながらも続いている。

学生生活も2年目に突入。沢渡希の今後の成長ぶりはいかに!?

 

―『学園の貴公子』登場人物―

沢渡希(Sawatari Nozomi)
クリウス学園高等学校2年、演劇部所属、かつ、ホーンスタッド王国次期皇太子。180センチの長身に、腰まで伸ばした漆黒の髪がトレードマーク。頭脳明晰、容姿端麗、運動神経抜群、しかしどこかで他人とは壁を隔てている孤高の貴公子。

兼古祐輔(Kaneko Yusuke)
演劇部の先輩であり、現生徒会長。同じく180センチの長身に爽やかなルックス、オープンな性格で人を惹きつける学園No.1のアイドル。

清水美智枝(Shimizu Michie)
演劇部の部長で、兼古先輩の彼女。大人びた印象で学年トップの頭脳の持ち主。小説家の母を持ち、脚本演出で二人のプリンスの魅力を引き出す演劇部陰の主役。

川端深雪(Kawabata Miyuki)
演劇部の後輩。新入生歓迎会での演劇部の公演に感動し、演劇部のオーディションを受ける。天性の演劇センスを持つが、普段は控え目でおとなしい女の子。将来性は未知数…。

朝霧智史(Asagiri Satoshi)
沢渡くんの親友であり王宮のヴァイオリン楽士。同じくクリウス学園高等学校2年に在籍し、常に沢渡くんと行動を共にしている。お人好しな性格で、憎めないヤツ。

響貴久(Hibiki Takahisa)
ホーンスタッド王国皇太子。28歳。クリウス学園高等学校卒業後入宮、現在では外交問題を担当し、親しみやすい人柄から多くの国民の支持を得ている。

結城憲弘(Yuki Norihiro)
沢渡くんの教育係兼王宮相談役。34歳。仕事に厳しく歯に衣着せぬ発言から周りからは恐れられているが、沢渡くんにとっては親友であり父のようでもある、良き理解者。

江口有紗(Eguchi Alisa)
ホーンスタッド王国国王陛下の実娘で、陛下の秘書。また沢渡くんの彼女である。