そして他にも連絡しなければならない人たちがいる。
「もしもし、夜遅くにすみません。響です」
“で、殿下ですか?・・・こんばんは”
「こんばんは。今いいかな?」
沢渡くんがお世話になっているクリウスの面々にもいい知らせを届けておかないと、と思って、兼古くんに電話をかけた。 Continue reading “6/4 (土) 0:30 電話”
小説の部屋
そして他にも連絡しなければならない人たちがいる。
「もしもし、夜遅くにすみません。響です」
“で、殿下ですか?・・・こんばんは”
「こんばんは。今いいかな?」
沢渡くんがお世話になっているクリウスの面々にもいい知らせを届けておかないと、と思って、兼古くんに電話をかけた。 Continue reading “6/4 (土) 0:30 電話”
結城から連絡があり、手術が無事に終わったとのことだった。
「沢渡くんは見えるようになったの?」
“客観的には機能しているということだが、沢渡が目覚めるまではまだ安心できない。それに、休んでいた回路が正常に戻るまでには、しばらく時間がかかるかもしれないとのことだ。でも、手術としては成功したそうだよ” Continue reading “6/3 (金) 16:00 溝”
沢渡くんは明日手術を受けることになった。それを聞いて、加藤だけには任せておけない、と結城も出かけてしまった。
ロマノ共和国との関係は特にこじれていない。元を正せば誰のせいというわけでもないのにもかかわらず、ロマノ側からはお見舞いの金品が少なからず送られてきて、また沢渡くんにワインを飲ませた経済流通長官からも、個人的なお見舞いの品が贈られてきた。しかしそれらの処理はすべて沢渡くん抜きで行っている。沢渡くんはまだ表舞台には出ていない人間だ。だから事を荒立てないように内密に、そして本人同士の責任は問わないことにした。 Continue reading “6/2 (木) 21:30 公私”