12/30 (金) 15:30 余韻

今日はお家でお掃除をしていたのだけど、どうにも作業がはかどらない。

「はぁ~」

考えてしまうのは希のことばかり。その存在自体が圧倒的で、完全に呑み込まれている私・・・。

 

昨日の朝、目覚まし時計の音が鳴り響いて目を覚ました。時計は希の側のサイドテーブルに置いてあったのだけど、まだ希は起きていなかった。それで止めに行こうと思ったのだけど、私は何も着ていなくて、・・・でも希は寝てるしいいかな?でも恥ずかしいよ、と思っていたのだけど、あまりにもうるさいので結局は裸のまま身を乗り出して、何とか止めた。

希はまだ寝てる。起こさなきゃ、でもその前に服を着ようと思ってベッドから出ようとしたときに、後ろから腕を掴まれた。

「おはよ・・・」

「ちょっと!起きてたの!」

・・・あれ?寝てる。すでに手に力はなく、だら~んと伸びたままだ。今のうちに、と思って、辺りをキョロキョロして服を探したのだけど、見当たらない。何とかリビングまで行って戻ってくると、やっぱりその姿勢のままで寝ていた、と言うか倒れたままだった。こんな姿を見られるのはごく一部の人だけ。起きている間は私のことを翻弄する希だけど、今なら私だけの希。

折角だから写真を撮ってみようかな?綺麗な顔をしてるよね。・・・そもそも希が寝ているということだけでも貴重。携帯で・・・カシャッ!

するとその目がおもむろに開かれた。

「何やってる!」

「おはよう。寝覚めバッチリだね」

「ちょっと待て、貸せ!」

え?嘘、ホントに怒っちゃった?そして希はそのまま私の携帯を奪って、しっかり画像を削除してしまった。

「写真なんかで見るな。見たいなら、生の俺を見ればいい」

え~!そういう展開!?・・・そして、機嫌を直させろ、と、朝からまたコトが始まってしまったわけで・・・。

はぁ~、テレビで見ていると、理性的で、他人とはドライな関係を保って、あくまでも長官としての表情を崩さないのに、ホントは物凄く独占欲が強くて、嫉妬深くて、・・・凄くエッチ。こんな人がホントに財務長官なんてやってていいのかな?という感じ。

それと共に、私の体もだんだんおかしくなってきた気がする。希に会いたいって思うのは、顔を見たい、抱きしめられたい、にとどまらず、一つになりたいからで・・・。痛いよりも、気持ちいいが増えてきたからで・・・。恥ずかしいよりも、嬉しいが増えてきたからで・・・。

でもやっぱり恥ずかしい。赤面が止まらない。

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