3/17 (金) 20:00 内部打ち上げ

議会が無事に終了した。財務長官に就任して初の議会だっただけでなく、皇太子にも就任することになった。その上途中で体調を崩し、一部欠席することになってしまったのは、悔いが残る。しかし、世間的には概ね評価を得ているのがせめてもの救いだ。

「みなさんのご活躍のおかげで、議会を乗り切ることができました。ありがとうございます。そしてお疲れさまでした」

僕が音頭を取って、ひとまずノンアルコール飲料で乾杯する。部下の誰もが僕よりも歳上だ。しかし当の上司がまだ未成年で、飲酒が許されていないため、全員が気を遣ってくださった結果がこれだ。

僕たちは、王宮ラウンジの一角で、ビュッフェ形式の食事をすることになった。僕が皇太子に就任してから入ったメンバーの中には、まだきちんと挨拶ができていない人もいるので、僕は食事は二の次でコミュニケーションをとることを優先している。

「殿下の元で働くことができ、光栄です。沢渡班は、連携がよく取れていて、労働環境としては非常に恵まれていると思います」

中年の政官… 確か以前某国務大臣の秘書を務めていらした方が、声をかけてくださる。そう言ってくださるのはありがたい。

「チームが一丸となって、いい仕事ができるようにしていきたいと思っておりますので、今後ともお力添えをよろしくお願いします」

普通の人はそうしないのかもしれないが、僕は日常的に、チームの面々に対して感謝の言葉を伝えるようにしている。もちろん、要望を出すことも多いが。

「松本さん。今回の議会では、いろいろとご迷惑をおかけして申しわけありませんでした。松本さんが、指揮系統を作り上げてくださっているおかげで、僕は上に立つことができています。ありがとうございます」

「いえ。迷惑だとは思っていません。殿下の元で働くことは非常に刺激的です。いい意味で、いつも緊張感に包まれていますよ。今後とも、周囲に革命を起こしていきましょう。こちらこそよろしくお願いいたします」

お世辞ではなく、風通しのいい職場環境づくりに務めていきたいものだ。

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