4/27 (木) 13:00 母

相変わらずウチの母はミーハーだと言うか、勘違いしていると言うか、息子を息子だと思っていないと言うか・・・。

せめてもの親孝行にと、僕は今夜、家族で夕食を取るためにレストランを予約したのだが、案の定朝からそれは凄い張り切りようで。

「何着て行こうかしら?」「美容院に行ったほうがいいわよね」「絶対遅刻しないでよ」とそれこそデート気取り。いつもやたら腕を組みたがるし、僕は恋人じゃないんだよ!といつも言っているのだけど、朝食の席では父と兄も、またか、と呆れていた。

「出逢った頃のお父さんによく似てるわ。ただし希のほうが背は高いし、身体も引き締まってるけどね」

今でも父と幸せそうに暮らしているから、まあ、こういうタイプが好きなのだというのはよく分かるけど。・・・顔は母親似だけど、雰囲気は父に似ていると、人からもよく言われる。

それにしても、年よりかなり若く見えるのはどういうことだろう。多分気持ちのレベルは、深雪とそれほど変わらないのだと思う。離れて暮らしていたせいで、母としてというよりは、僕のことをよく理解してくれる一人、として接しているところが僕にもあるから。

父から聞いた話では、母は僕を入宮させたことで、とても苦しんだそうだ。息子をとられてしまったと、一時期は気が触れたかと思うくらい嘆き悲しんで、何も手につかない状態になったという。それからも紆余曲折があったらしい・・・詳しくは教えてくれなかった、けど、僕を見る目がだんだん客観的になっていったのは事実だ。そうすることしかできなかったのかもしれない。

もちろん身体のことを心配してくれて、手料理を作ってくれたりするけど、何かの記念日にプレゼントをあげた時の喜びようと言ったら・・・尋常ではない。でも同時に一人の女性としてかわいいなって思う。

僕が沢渡家の一員であることは間違いないけど、「家族」という言葉が成り立つのかどうか。そもそも家族とは何なのか?僕自身未だによく分からない問題でもある。

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