いよいよ明日から文化祭、そして体育祭、の学園祭が始まる。演劇部の公演は文化祭の1、3日目に新作、そして2日目には先の全国大会での作品を演じることになった。そして体育祭の後の後夜祭では、ミスキャスト上演会というものを開くらしい・・・抽選で役を決めるなどという恐ろしい企画だ。先日台本が配られたのだけど、妖精などが出てきてとてもメルヘンなので、主要な役には当たりたくない・・・。 Continue reading “9/21 (月) 23:00 前日”
9/20 (日) 7:00 Love Song
朝起きてみても沢渡がベッドにいた様子はなかった。部長との話がいつまで続いたのか、その後宮殿に帰ったのか、その辺りは分からない。が、まだ時間的に早かったので、ヴァイオリンを持って散歩に行くことにした。 Continue reading “9/20 (日) 7:00 Love Song”
9/19 (土) 23:30 決心
昼間の練習は、衣装を着けて、本番さながらに行われた。沢渡は部長にスーツを買わされたと言っていたが、KZだから仕事でも着れそうだ、なんて喜んでいた。・・・実は、店員さんが知り合いだったらしく、知らないフリをしてもらえるかどうか内心緊張していたとのこと。しかし今日に限っては特に問題もなく進んだのではないかと思う。 Continue reading “9/19 (土) 23:30 決心”
9/18 (金) 13:30 邪魔
教室で・・・。
変に意識するのはよくないと思うのだけど、気にしないというほうが難しい。いよいよ文化祭が目前に迫ってきて、部のほうでは明日から合宿、クラスのほうの準備も佳境に入ってきている。・・・まあ、沢渡の手際のいいこと。やっぱり彼には人を見抜く才能があるのだと思う。模擬店を開くに当たっての仕事の分担は彼がほとんど一人でやってのけた。そしてみんなは与えられた仕事をこなす。・・・見事なる適材適所。僕は当然のように力仕事には借り出されないし、なおかつ火や刃物を使う場にも近づかなくていい、沢渡の伝達役。 Continue reading “9/18 (金) 13:30 邪魔”
9/17 (木) 23:30 感情に揺さぶられるままに
でも、沢渡は元気なフリして役のことで悩んでいるみたいだ。しきりに清水先輩と話をしている。・・・気を紛らわせたいのかな?
夜、僕は殿下からお呼びをいただき、ヴァイオリンを手にお部屋に伺った。・・・けど、当然いるはずと思っていた沢渡がいない。
「今日は朝霧くんの演奏を独り占めできる」 Continue reading “9/17 (木) 23:30 感情に揺さぶられるままに”
9/16 (水) 13:30 応援?
学食で席に着いたら、
「沙紀ちゃんから、朝霧くんって彼女いるの?って聞かれたよ」
いきなり沢渡が言うから、フォークを取ろうとした手を膝の上に戻す羽目になった。 Continue reading “9/16 (水) 13:30 応援?”
9/15 (火) 23:00 試演
沢渡はもう、宮殿で生活しているということがバレても構わないと開き直ったそうだ。しかしその途端、いろいろと飛び交っていた噂がピタリと止んだのだから不思議なもの・・・。きっと、みんな認めたくないんだ。クリウスの学生は大概そう。富豪だかなんだか、力のある家に生まれた子どもというのは、甘やかされて育つ。そして、自分が一番だということを植え付けられる。 Continue reading “9/15 (火) 23:00 試演”
9/14 (月) 23:30 初めての気持ち
先週で議会が終わったため、宮殿には一気にリラックスした空気が流れてきた。ただし、殿下だけは別のよう。陛下が一週間お休みを取られることになったので、その間国を守らなければならない。そのために、沢渡も宮殿に借り出されているようだ。
・・・沢渡に相談したいことがある。 Continue reading “9/14 (月) 23:30 初めての気持ち”
9/13 (日) 22:30 旅人
家に帰ると、親父が待ち構えたように座っていた。
「ただいま・・・」
「ただいま、じゃないだろう。ちょっとここに来て座りなさい」 Continue reading “9/13 (日) 22:30 旅人”