「恐れ入ります、目を開けていただけますか?」
と言われ、鏡越しの自分の姿を見て驚いた。
「これ、やり過ぎじゃないですか?」 Continue reading “9/21 (水) 16:00 一緒の時間”
小説の部屋
「恐れ入ります、目を開けていただけますか?」
と言われ、鏡越しの自分の姿を見て驚いた。
「これ、やり過ぎじゃないですか?」 Continue reading “9/21 (水) 16:00 一緒の時間”
クリウスの構内には、見たこともないくらい多くの人が詰めかけていて、廊下を移動するのも大変だ。でも、
「舞台、凄くよかったですよ」
「とても感動しました」
なんて声をいただけると、嬉しくなって大変さを忘れてしまう。・・・何気に、クリウスの先生たちまでもが僕を捕まえては舞台のことを褒めてくださるから、それはとてもありがたいことなのだけど、僕にもスケジュールの都合があるので失礼させていただくとして。 Continue reading “9/20 (火) 14:30 カジノ”
演劇部としての準備は土日の合宿ですべて終わらせた。そうしないと、兼古先輩は生徒会長としての仕事に、僕もクラス委員としてクラスの出し物の準備に取りかかれなかったからだ。でも、それらの準備も、やるだけのことはやった。 Continue reading “9/19 (月) 23:30 期待の高まり”
部活の合宿があったために、結城との定例夕食会は今日になった。
「殿下はどうかなさったの?どことなく元気がないような感じだけど」
仕事はもちろん全然問題なくこなしていらっしゃるけど、一人執務室でぼぉ~っと宙を眺めていらしたのが気にかかっている。最初は舞さんが実家に戻られたのが寂しいのかな?と思ったのだけど、どうも違う気がして・・・。 Continue reading “9/18 (日) 19:00 広告塔”
深雪が吹っ切れたような気がした。
「光と影に関しては、考えすぎないことにしました。役作りについて考えれば考えるほど、役と私との境目が分からなくなっちゃうんですよね。舞台に立てば役に入り込める自信はありますし、先輩方から、演技については特にダメ出しをされることもなかったわけですから、このままでいいんじゃないかと思いまして・・・」 Continue reading “9/17 (土) 22:00 つかず離れず”
深雪ちゃんに続き舞を送っていったあと、やむを得ず、しばし部屋に上がり込む羽目になった。
「どうして深雪ちゃんには、あんなに気の利いた優しい言葉が言えるわけ?」
ちょっと待って、矛盾してない?お互い軽口を叩き合う関係のままでいようって、つい最近確認したばかりじゃないか。 Continue reading “9/16 (金) 1:00 困惑”
舞を家まで送りがてら川縁を散歩していると、たくさんの人から挨拶をされた。
「殿下は人気者よね。・・・ここまで身近に感じてもらえているところが凄いわ」
ただ、声はかけられても、握手をしてくださいとか、写真を撮ってください、とか言われることは外国での場合のほうが多い。ほとんどの人があくまでも挨拶か、言葉を交わしても二言三言なのは、僕としても助かる。 Continue reading “9/15 (木) 21:00 散歩道”
オフだけど、結婚の儀と披露宴のための衣装の最終打ち合わせと、写真撮影があった。
「このまま部屋に連れ帰ってもいいですか?凄く綺麗だから」
「おやめください、殿下!当日までは何があってもお汚しになりませんようにお願いします」
KZが焦って言っていたけど、・・・本当に舞のドレス姿は綺麗で、惚れ直してしまった。 Continue reading “9/14 (水) 23:30 ベッドトーク”
起きたら真夜中だった。
「お目覚めですか?」
・・・ああ、まだ医療室だったんだ。あれから人間ドックはどうなったのかと聞いてみると、寝ている間にいくつかの検査をしたが、少し残ってしまったと聞いたので、とりあえず空腹を満たしたあと受けておいた。 Continue reading “9/13 (火) 17:30 軽口を叩き合う仲”
「じゃあ沢渡くん、4日間よろしくね」
議会後のオフは、まだ沢渡くんが新長官に就任してバタバタしていることもあっていつもよりは控えめになった。でもオフとはいえ、来月に控えた結婚の儀のための準備があれこれあり、今回は宮殿から遠くない場所で過ごすことになった。・・・まあそれはそれでいいか。 Continue reading “9/12 (月) 11:00 宮殿でのオフ”