昨夜、沢渡先輩から電話がかかってきた。
“ゴメンね、僕のせいで嫌な思いをさせたみたいで”
昨日は結局、村野先輩たちと一緒にお昼を食べさせていただいて、その時に、沢渡先輩に近づくと嫌がらせをする人たちがいることを聞いた。 Continue reading “6/21 (火) 23:00 表と裏”
小説の部屋
昨夜、沢渡先輩から電話がかかってきた。
“ゴメンね、僕のせいで嫌な思いをさせたみたいで”
昨日は結局、村野先輩たちと一緒にお昼を食べさせていただいて、その時に、沢渡先輩に近づくと嫌がらせをする人たちがいることを聞いた。 Continue reading “6/21 (火) 23:00 表と裏”
学校に行くと、若菜、香織始め、クラスの女の子たちが一斉に私のところにやってきた。
「見違えちゃったよ。普段はとってもおとなしいのに、あんなに凄い演技をするんだもん、感動しちゃった」
あ・・・、地区予選のこと。 Continue reading “6/20 (月) 13:30 一転”
優勝できてよかった、けど、まだ次がある。今年は是非とも全国大会で優勝を!部の打ち上げは次の戦いへの出陣式のようになり、一瞬緩んだ気も、たちまち引き締まった。僕にはこの役は正直重くて、まだ1ヶ月もこのままかと思うと精神的に参ってしまいそうになるけれど、それよりも今は、全国大会で更なる演技を見せたいという思いが強くなっている。 Continue reading “6/19 (日) 1:00 心身のバランス”
「どんな女の子かよく見てこい」
結城は、沢渡くんが気にかけているらしい女の子のことが気になってしょうがないみたいだ。僕としてはそのことも心配だけど、婚約発表以来初めて二人揃って外出するということのほうが大きい。この一週間、本当に忙しくて息つく間もなかった。加えて間もなく議会も始まるので、今日だけはわがままを言って、無理矢理スケジュールを押さえたのだった。プレゼンターを仰せつかったのも、そうすれば変更はできないと思ったから。・・・本当はこっそり来たかったのだけど、時期が時期だけに、やむを得ずたくさんのフラッシュを浴びてきた。 Continue reading “6/18 (土) 16:00 地区予選”
明日はいよいよ地区予選。一時はどうなることかと心配したけど、なかなかいい感じにまとまったのではないかと思う。
沢渡くんには大分笑顔が戻ってきた。でもお昼ごはんを一緒に食べないかと誘っても、丁重に断られてしまった。
「そうすると、また村野さんに迷惑をかけてしまうから」 Continue reading “6/17 (金) 18:30 見て見ぬフリ”
沢渡が大分落ち着きを取り戻してきた。宮殿の中は相変わらずバタバタしているが、沢渡には関係ないらしい。あくまでもマイペースにまずは演劇のことを考え、できる範囲で来月から始まる議会の準備の手伝いもしているようだ。帰国してすぐは僕から見ても辛そうな表情をしていたが、昨日くらいからはエネルギーが満ち溢れてきた気がする。 Continue reading “6/16 (木) 19:00 演劇→ヴァイオリン→演劇”
みんなは、沢渡先輩が冷たくなってなんて言って敬遠しているけど、私としてはそれどころではない。私の演技のことがとにかく心配・・・。
妹のおかげで、お兄ちゃんはまた生きようと思う・・・だから私が目一杯励ましてあげなきゃいけないのだけど、まだ弱いのか、練習の合間でも沢渡先輩はあまり笑ってくれない。しかも部長から、先輩ともっと話をするようにと言われてしまった。・・・もう地区予選までそんなに日がないのに、大丈夫かな? Continue reading “6/15 (水) 17:00 思わず、の一言”
「な~にイラついているんだ、このバカ」
いきなりその言葉は何!?と思いつつも否定はできず、僕は素直に結城をソファーに迎えた。結城は殿下の婚約発表のおかげでとても忙しいはずなのに、わざわざ来てくれたのだ。 Continue reading “6/14 (火) 23:00 You can do it!”
クリウスの周辺は相変わらず賑やかだけど、演劇部は間近に迫った地区予選に向けて集中力を高めている。・・・特に沢渡は全力を注ぎ込んでくれているみたいだから、邪魔しないようにしないと。
やっぱり、学校を休んでいる間に沢渡は少し変わったと思う。初日は玄関で彼が来るのを待っていた。そのときから眼光が鋭くなっていたことに気づいていたが、他の生徒からいろいろと声をかけられたときあっさりを受け流すようになったことからも、強さが感じられた。一つ苦難を乗り越えて成長した姿をそこに見た気がした。 Continue reading “6/13 (月) 18:30 困り事”
「沢渡、起きているなら練習に付き合って」
よく眠れないままぐだぐだしていたら、同室の朝霧から声をかけられた。この場合練習とは、演劇の、ではなくヴァイオリンのだ。やはり夏のコンクールのためかなり練習しているようで、今回の合宿にはヴァイオリンを持参していた。昨夜もこっそり外に出て行ったままなかなか帰ってこなかった。
「うん、いいよ」 Continue reading “6/12 (日) 6:00 関連性”