April

4.01(金) 22:00 前途多難
4.02(土) 23:00 歓迎会
4.03(日) 23:30 ペースに流されて

4.04(月) 13:00 いきなり…
4.05(火) 23:00 内輪話
4.06(水) 18:00 夕食会
4.07(木) 22:30 お願い
4.08(金) 23:30 緊張の糸
4.09(土) 23:00 待遇
4.10(日) 14:30 外出

4.11(月) 10:30 始業式
4.12(火) 14:00 デビュー
4.13(水) 16:00 情報収集
4.14(木) 17:00 新入生歓迎会
4.15(金) 16:00 オーディション
4.16(土) 19:00 考えてしまうのは…
4.17(日) 1:00 自覚症状

4.18(月) 18:00 感情の揺らぎ
4.19(火) 22:00 大人への階段
4.20(水) 17:30 作戦会議
4.21(木) 17:30 配役
4.22(金) 22:30 遭遇
4.23(土) 1:00 質問
4.24(日) 19:30 感じる食事

4.25(月) 16:00 役作り
4.26(火) 16:30 注文
4.27(水) 13:00 打ち合わせ
4.28(木) 13:00 水面下でのバトル
4.29(金) 13:00 接し方
4.30(土) 14:00 密談

4/30 (土) 14:00 密談

撮影は無事に終了しているので、今日は編集作業。よって部活は自由参加になっているのだけど、部員の半数はやって来て発声練習などをしていた。その中で沢渡くんは私の編集作業を手伝ってくれていたのだけど、・・・いつの間にか部室に残っているのは私たち二人だけになってしまっていた。

「このシーンなかなかいいよね。このカットとこのカットを使おうか」

「いいね。・・・うん、そこそこ、そこで切って」 Continue reading “4/30 (土) 14:00 密談”

4/29 (金) 13:00 接し方

遠足の行き先は沢渡くんたちとは違うところ。何やら今回は沢渡くんが行きたいと書いたところに参加者が偏ってしまったらしく、私たちのコースは人がまばらになっている。・・・その方が楽でいいのだけど。

私は沙紀ちゃんと一緒に、湖を見ながらお昼ご飯を食べていた。沙紀ちゃんも沢渡くんたちの周りの喧騒から逃れたかったみたい。 Continue reading “4/29 (金) 13:00 接し方”

4/28 (木) 13:00 水面下でのバトル

やっぱり彼女には天賦の才能があるみたい。カメラの前に立つとすんなり役に入ってくれて、滞りなく撮影が進んでいる。その様子には2年生全員がビックリしたわけで、逆に口をはさみ過ぎないようにと思ったくらいだった。

そして今日も昼休みには打ち合わせを、と思っていたら、同級生の女の子たちに行く手を阻まれてしまった。

「何処に行くのよ」 Continue reading “4/28 (木) 13:00 水面下でのバトル”

4/27 (水) 13:00 打ち合わせ

今日からは撮影。その前に、沢渡くんと昼食をとりながら打ち合わせをすることになった。実は沢渡くんは「僕なんかが指導してもいいのかな?」と心配をしていた。確かにまだ経験は一年しかないかもしれないけれど、今や兼古先輩と肩を並べる役者になっているし、何かと目が肥えているので全然問題ない。でもいつまでも謙虚なところは沢渡くんらしくていい。

「僕が演じて見せる必要はなかったかもしれないよね。村野さんなんて、言葉だけでしっかり指導出来ていたわけだから」 Continue reading “4/27 (水) 13:00 打ち合わせ”

4/26 (火) 16:30 注文

今日中にしっかりリハーサルをしておかないと、明日明後日で一気に撮影を終わらせることが出来なくなるから、少々焦っている。それでも昨日のアドバイスの甲斐があったのか、今日はわりと大丈夫なレベルまでには持って来られるようになってきた。でも、二人の絡みのシーンが何とも言えずギクシャクしていて、目も当てられない。・・・またまたタイムアウト。

「このシーンは重要よ。初めて出逢った人に運命を感じてしまう、そのインパクトが強くないとその後の展開が生きてこなくなるでしょ」 Continue reading “4/26 (火) 16:30 注文”

4/25 (月) 16:00 役作り

先輩方が修学旅行に行っている間に、私たちはビデオドラマの撮影をしなければならない。猶予は一週間。1年生たちをうまくまとめられるかしら?先週の様子ではかなり心配なんだけど。

1年生たちが選んできたのは古典の名作で、出逢ってしまったものの、家の事情で引き裂かれてしまうカップルの話。私は主演を務める川端さんのサポート役にまわることになったのだけど、先行きは不透明。 Continue reading “4/25 (月) 16:00 役作り”

4/24 (日) 19:30 感じる食事

「まったく響のヤツは、今までの俺たちの苦労を水の泡にしてくれやがって・・・」

もういいよ、それは。昨日は殿下が散々謝ってくださり、その後には殿下と結城による大人気ない口論が果てしなく続いたのだった・・・。僕としては、隠し事をしなくていいということは、気が楽でいいことだと思うのだけど・・・。

「いつまでもしつこいと、僕に嫌われるよ」 Continue reading “4/24 (日) 19:30 感じる食事”

4/23 (土) 1:00 質問

部長のお母さまへの挨拶が終わると、僕はそのまま部長のお宅へ連れて行かれた。

「え~!次期皇太子!って言うか、入宮って、高校を卒業しないとできないんじゃないの?」

「普通はそうなんですけど、僕は実験的に幼稚園卒園と共に招宮されて教育を受けてきました。ただ僕には実社会での経験が乏しかったので、陛下にお願いして普通の高校に入学させていただいたのです」

「じゃあ、高校の授業なんて退屈なんじゃないのか?」

「いえ、僕には何もかもが新鮮で、とても楽しいですよ。それに唯一ゆっくりできる時間ですしね」

「ということは研修に忙しいの?」

「いえ、仕事もさせていただいています。今年度の予算案の作成にも携わらせていただきましたし、晩餐会にも出席させていただいています」

「ということは・・・、俺の親父にも会ったことあるわけ?」

「はい、何度かお目にかかってお話しさせていただいていますが、僕が何者なのかはご存じないみたいですよ。・・・息子の作品をご覧にならないのですか?」

「ウチの親父に言っても無駄だよ。そんなことに現を抜かしてって感じで、端から取り合う気なんてないんだ」

「そうなんですか。・・・去年の全国大会には、殿下だけでなく両陛下も見に来てくださったのに」

「え~!ということは、陛下も私たちのことをご存知なの?」

「はい、もちろんです。文化祭のDVDもご覧いただきましたし、今年のコンクールも楽しみにしてくださっていますよ」

「本当かよ。これはしっかりしたものを作らないと・・・。そうか、朝霧は楽士だって言ってたよな」

「はい、彼はヴァイオリンの楽士です。彼も特別に小学校卒業後に入宮して、僕の友人になってくれました。それをいいことに演劇にまで付き合わせてしまって、本当は申し訳ないんですけどね」

「これで話がすべてつながったな・・・。それはそうと、これまでに誰かに話したのか?」

「行きがかり上、望月先輩に。そして、上柳さんにも」

「そうなのか」

「でも僕は、学校にいる間はできるだけ普通の高校生でいたいのです。先輩方はこれまで僕の素性を探らず、ありのままの僕を受け止めてくれました。そのことには本当に感謝しています。そしてこれからもよろしくお願いします」

4/22 (金) 22:30 遭遇

今日は、部員全員で部長のお母さま原作の舞台作品を観に行くことになった。一旦着替えてから劇場に集まると、すでに1年生は全員集まっていたが、・・・川端さんは一人でポツンとたたずんでいることに気がついた。オーディションのときの迫力とは大違いで、普段の彼女はおとなしく控えめな女の子のようだ。でもここで声をかけたりしたら、去年の二の舞になりかねない。

「朝霧、彼女に声をかけてきてあげて」

僕にはそれが精一杯だ。 Continue reading “4/22 (金) 22:30 遭遇”