11/6 (日) 14:00 午後のひととき

今日はオフのようでオフでない、勉強日。調べておかなければならないことや、読んでおかなければならない資料が山積みなのに、眠気が襲ってきて困る。

とりあえず部屋にいるのがいけないのかと思って、執務室にやってきた。ここなら、気合いも入るだろう・・・と思いきや、すぐにピントが合わなくなってきて、頭がガクッと倒れ込む。

ああ、少し寝ようかな。でもあまり寝過ぎないように、そのまま机に伏せて目を閉じる。

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うっ。・・・ああ、しばらく寝たみたいだ。腕が痺れている・・・今何時だろう、・・・15分くらい寝たんだな。・・・と、手近に置いてあったコーヒーカップに手を伸ばそうとしたら、目の前のソファーセットに人影を認めたので、身体がぎくりと硬直した。

「おはよう」

「おはようございます・・・殿下。いつからいらしていたのですか」

「う~ん、5分ほど前かな。用があったので場所を聞いてみたらここだったから来た、ただそれだけ」

殿下がご用・・・、僕は部屋着なのに、殿下はスーツを着ていらっしゃるし!

「これは、失礼しました。それで、ご用件は」

慌てて立ち上がると、殿下は目にされていた書類を僕の机にまで戻しにいらした。が、それだけではなかった。

「ここへは普段着で来てはいけないよ。自室から直接ターボリフトで来られるにしても、ここは公の場だから、ここにいるとなると仕事をしているのだろうと思うよね。だからわざわざ着替えていたのに、当の沢渡くんは普段着でしかも寝ているんだもん、部下に見られでもしたらどうするつもりだったの?示しがつかないでしょ」

申し訳ありません。一応ドアをロックしておいたけど、僕より権限のある陛下や殿下はターボリフトから直接来られることが可能なわけで・・・いえいえ、弁解の余地はありません。もし僕のことを探しに部下が来た時にドアが閉まっていたら、何事かと思うに違いない。要はオンとオフはしっかり切り替えるようにというわけですよね。・・・あ、そういえば、

「わざわざ着替えていらしたのですか?」

「そうだよ。舞がスイーツを作ったから一緒に食べないかな?と思っただけだったのに。ああ面倒臭い」

「お手間を取らせてしまい申し訳ありませんでした。・・・本当にお伺いしてもよろしいのですか?」

「ううん、場所は沢渡くんの部屋に変更。埋め合わせしてよね」

はい、殿下のリクエストとあれば、喜んで弾かせていただきます。・・・宮殿で生活することは便利なようで難しいな。

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