12/27 (火) 6:30 わがまま

希を起こす都合上、冬休みとは言え毎日早起きな私。希は6時半起き。そして今日もなかなか電話に出ない。

“・・・・・・”

「希、おはよう。愛してるよ」

うわっ、恥ずかしい!ということで電話を切る私。・・・でも、まだ起きていなかったらどうしよう。普通ならかけ直してくること間違いなしだけど、まだ鳴らない。ただの間違い電話だと思ってたりしたら!?もう一回かけようかな。

プルルルル・・・。プルルルル・・・。

“はい”

「希、おはよう。さっき私が何て言ったか分かる?」

“え?さっき?・・・”

うわ、やっぱり、聞こえていなかったパターン!?・・・凄く残念。でもしょうがないよね。昨夜寝たのも遅かったわけだし。

「そっか、覚えてないならしょうがないね。いいよ、気にしないで。今日も一日お仕事頑張ってね」

“ちょっと待て、み・・・”

はぁー。一応起きたみたいだし、私の任務は完了。・・・朝から二度も言えるくらいの勇気はまだない。

すると今度は、私の携帯が鳴った。発信元は、沢渡希。

「はい、もしもし」

“ゴメンって。俺の寝起きが悪いのはお前も知ってるだろうが。こんな気持ちのまま仕事に行きたくないよ。どうしたら許してくれる?”

折角のチャンスだけど、会いに来てだなんて、とても言えない。希は忙しい人だから。・・・だったら逆に、

「会いに行かせてくれないかな?私には時間があるから」

といっても、王宮人の家族ですら宮殿にはなかなか入れないって言ってたし・・・。でも私は二度も入れてもらったんだけど・・・。っていうか、この間行ったばかりじゃない。わがままだよね、私。

“いい考えだな”

ホント!?

“ただ、俺の一存では返事ができないから、ちょっと相談する。・・・でも俺のことを嫌いになったりしないかな?舞台裏はあんまり綺麗なものじゃないよ”

「そんな!私が希のことを嫌いになったりするはずないじゃない!」

“そうか?だったら、前向きに検討するよ。電話ありがとう”

「うん、頑張って」

何か凄いこと言っちゃったね、私。どうなるんだろう?

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