議会が開会。さすがに今日は授業があったので、とりあえず休み時間にニュースサイトで希の様子を見てみたら、眼鏡をかけていた…。もしかしたら、目の調子が悪いとか?これからそのモードで行くとか?でも顔色はいいし、記事をよく読んでみたら、何やらいきなりズバッと先制攻撃をしたらしいし。
「うわ~、メガネ姿の沢渡先輩もカッコイイね」
「でも、何かますます近寄りがたくなっちゃうよね。もう学校に来てくれないのかな?」
「これから毎日議会だもんね…。でも生徒会長だし、来ないってことはないでしょ」
「でも、こうなるなんて予想外のことだったし、どうなるか分かんないよ」
「…あの子は何か知ってるのかしら?でもあの様子じゃ、何も知らなそうだよね」
「きっと、フェードアウトでおしまい」
いや!そんなことにはならないもん!…と内心では思ったけど、反論できない。
「深雪、気にしなくていいよ。わざと聞こえるように言ってるだけだし、昨日朝霧先輩もああ言ってたし」
うん…。もう一つメッセージを送っておこう。
“今日は、眼鏡をかけてるみたいだけど、…まさか、具合が悪いわけじゃないよね?でも、カッコイイ。帰ったらビデオで議会を見るね”
送信…。と、ほどなく、「既読」マークがついた。え!ホントに?
“これは、今日のファッションの一部だよ。ありがとう。午後も頑張るね”
え!え~~~~~~~~!!!思わず画面を若菜に見せると、彼女も、うわっ!と声を上げただけでなく、
「ちょっと見て!!!」
言われて画面を再び手前に向けると、希の自撮り画像が送られてきていた。うわ~。信じられない。慌てて、“ありがとう。頑張って”と返信するものの、今度は「既読」がつかなかった。ただ忙しいだけなんだよね。疑ったりなんかしたらダメだ。その間に、私もできることをしなきゃ。
希のことを心配してもしょうがない。私も自分磨きをしよう。そして、希を応援してあげよう。次はいつ会えるか分からないけど、とりあえずそれまでに学校の勉強と部活を頑張ろう。
「深雪、よかったね。…久々に深雪の笑顔を見たよ」
「あ…、ゴメン。若菜という友達がいながら、自分のことでいっぱいいっぱいになっちゃって」
「いいの、いいの。先輩の画像、私のほうが先に見ちゃったし」
あ!…確かにそうかも。…それにしてもカッコイイな。さっき記事で見たのと違って、ピースなんかしてるし、私も久々に希の笑顔を見たよ。希、頑張ってね。