学校は早くも中間テスト前。今月になってから全然登校できていなかったこともあって、今日は朝から学校に来た。…一番の目的は、深雪に会うことだけど。
僕は皇太子に即位したけど、事情が事情だけに、世間は浮かれモードではない。よって、クラスメイトにも、授業がどこまで進んでいるかを聞いたり、生徒会の役員には不在中にあったことなどを聞いたり、淡々と午前中を過ごした。そして待ちに待った昼休み!
例のごとく、僕たちは部室に集合して、そのまま隣の教室へ。
「よかった、来てくれて」
…抱きしめて、キス。
レストランで会ったとき、そして昨日の電話のときにも感じたけど、深雪は僕に直接的な温もりを求めているようだ。深雪にとって僕は、メディアの中の人となりつつあるのかもしれない。そうでなく、実際に生身の人間として抱きしめてあげられる人でいなければならないし、僕も彼女の温もりを求めている。
「俺は深雪のものだよ。余計な心配はしなくていい」
「何だか夢みたいで。…私の知らない人になってしまうのが怖くて、あんな夢を見たのかな?って考えてた」
「夢じゃないよ。俺はちゃんとここにいる。…確かに外面はいろいろ違うかもしれないけど、本質的には深雪のことが好きでたまらないただの男なんだよ。それを知っているのは世界で深雪一人だ」
そして抱きしめる腕に更に力を込めて、深く口づける。…ヤバイ、抱きたい、止められない。
「深雪…。もっとほしい…」
「ダメだよ…」
と言いながらも、深雪は必死にしがみついてくるので、そっと指を滑り込ませると、すでにトロトロに蕩けていた。
「お前、こんなになってる」
「いや…。ダメだって…」
そんなことを言われて、止められるはずもなく、指を増やしてなぞりあげる。
「ああっ…」
必死に声をこらえながら僕の胸に身を預け、今にも崩れ落ちそうになっている彼女の腰をグッと抱き寄せ、逝かせてあげる。
「いや…。恥ずかしい…」
「大丈夫、俺しか見てないよ。最高にかわいかった。愛してる、深雪」
「希…。大好き」
あ…。昼休みが残りわずかになってきた。深雪は大丈夫かな?ご飯を食べないと。でも、少しは彼女の乾きが収まったようで、よかったと思う。