2/25 (土) 18:00 病人らしく

大分回復してきたので、宮殿に戻ってきた。しかしずっと寝ていたせいか、足元がふらつくので、ずっと加藤に支えてもらっている。

「数日のことなのに、こんなにも衰えるんだね」

「そうですよ。ですから今後は、大事になる前に、こまめに休むことにしましょう。いいですね」

はい。…返す言葉もない。何にせよ、弱みを作ってしまうと、僕の地位が危うくなる。沢渡班のみなさんにも謝罪しに行かないとな。

「それも、完全に回復してからにしましょう。このようなご様子で何を言われても、説得力の欠片もありませんから」

「でも、デスクワークならできるよ。そろそろ仕事に戻らせてくれない?」

すると、加藤はきっと僕を睨みつけて、急に手を離した。

「わわわ!」

そして、すんでの所でまた僕を支えると、

「部屋の中の移動ですら困難な方が、何をおっしゃっているのですか?殿下はもっと、ご自分のことをよくお知りになるべきです。他人のことよりも、まずはご自分のことです!!!」

はい。…すみません。

「でも、そろそろリハビリを…」

「ですから!!!」

あ、これは完全に怒らせてしまった。

「今は休むことも仕事のうちです!そのようなことをおっしゃるなら、また、セカンドハウスに戻っていただきますよ!!!」

なるほど。物理的にも仕事から遠ざけていたわけか…。情けないなぁ、ホントに。

「もうすぐ、深雪さんがいらっしゃいますから、その前に入浴を済ませましょう。さすがに、深雪さんにはお任せできませんし」

はい…。確かに…。今のところは加藤の言うことを聞いておこう…。

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