4/4 (火) 19:00 移動の車内で

今日も無事に仕事が終えられて後は帰るだけ・・・なのに今から本領発揮と言わんばかりに、張り切ってテキストをお広げになった殿下。春休みもあとわずかですからね。

「個室じゃなかったらやってられないよね、さすがに恥ずかしい」

殿下は普段から、努力している様子を人に見られることを嫌っていらっしゃる。特に王宮から一歩お出になると、誰かに見られているということを常に意識されているようだ。そしてまた天下の皇太子殿下が今更高校の宿題などする必要などおありにならないのに、頭の体操にいいからとおっしゃってかなり嬉しそうに取り組まれているご様子。私などには到底理解できない世界だ。

「うわっ」

電車がガタッと揺れて、字が乱れてしまわれたご様子。

「もっと揺れない電車を作ってほしいって、今度言わなきゃ」

確かに移動中に打ち合わせすることもあり、時々気になるのですが。

こうして殿下の宿題風景を拝見していると、答えを書きながら次の問題を読んでいらっしゃるようで、片時も手が休まる様子がない。これは揺れる度に書き直しなさっていると、かなりの時間を無駄にすることになりますね。

「そんな、じっと見てなくていいから、本の続きを読んでよ」

「そうですね、では失礼して」

私のことまで覚えていらっしゃるんですね。最近では本をお読みになる時間が少ないからと、流行りの本を私に読ませて感想を求められたりする。・・・続きが気になっていらっしゃるご様子だ。

明日は久々に学校、そして深雪さんにお会いになられるご予定だ。表情が緩みがちですよ、殿下。

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