4/24 (月) 18:00 初顔合わせ

昼休みに合格者が発表され、放課後初めての部活に参加した。

まずは部長から簡単に挨拶があって、自己紹介、そして沢渡先輩から今後の活動について話があった。

「差し当たって僕たちの目標は、『校則ゼロ革命』を再構成して、全国大会で二連覇することです。新入部員にとってはいきなりの高いハードルかもしれませんが、オーディションをくぐり抜けた精鋭揃いのはずですから、僕は出演してもらうつもりでいます。そのためにはまず優れた作品に触れること・・・まず金曜の夜に見に行くので、予定を空けておいてください。そして入部早々で申し訳ないのですが、来週は三年が修学旅行に出かけるので、宿題として、一年だけでビデオドラマを作成してください。脚本はオリジナルでも、過去のものを使ってくれてもかまいません」

一年だけでビデオドラマ・・・また無茶なことを言い出したものだけど、結構面白そうだ。でも一年同士の意思の疎通は図れていないし、どこから手をつけてよいものか・・・。

「そこで吉岡くん」

いきなり呼ばれて、慌てて返事をした。

「君を見込んでのことなんだけど、リーダーとして一年のみんなをまとめてほしい。いいかな?」

とっさに他の新入部員を見渡すと、確かに僕が一番適任のようだ。それに先輩直々のご指名だからね。

「はい、やらせていただきます」

見ててくださいよ!

「じゃあ、あとで詳細を伝えるから、ちょっと残ってくれるかな?」

「分かりました」

初日ということもあり間もなく解散、僕は部長と沢渡先輩から、過去の作品や評価ポイントなどを聞かされた。初めてごく間近で見て、しかも話をしたんだけど、やっぱり皇太子だけある。人当たりはいいが、本当は何を考えているのか、まるで分からない。これではテレビで見ていた人とは、別人のような気までしてくる。

もっと近寄りがたいオーラを放っている人かと思ったけど、上品な人だという印象以外は、前から知っていた人のようにすでに馴染んでいた。・・・僕はあの時、舞台の上からガンを飛ばしたのだ、気づいていないはずはない。

・・・器が大きいってことかな?・・・全然読めない。

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