先輩からお願いされたことはモーニングコール。
「本当に朝が弱くて困っているんだ。・・・先に断っておくけど、物凄く不機嫌な声をしてても、別に怒ってるわけじゃなくて眠いだけだから。気にせず何か話しかけて」
っていうか、夜寝るのが遅いから起きれないんじゃないですか?起こす時間を指定したメールが3時に入っていたのに、6時半には起きようだなんて・・・。
緊張する。先輩を起こすだなんて責任重大だし、寝起きが悪いっていうのも気になる。あまりにドキドキしちゃって、今日は早く起きちゃった。
じゃあ行くよ、せ~の。
プルルルル・・・、プルルルル・・・、プルルルル・・・。
出るまでは鳴らし続けてと言われたので、そのまま待つしかない。
プルルルル・・・、プルルッ
“・・・・・・はい”
うわっ、声がちっちゃい。
「おはようございます、深雪です」
“・・・・・・おはよう”
しばし無言。これは起きてない。
「横になってるとまた寝ちゃいますから、何とか身体を起こしてください」
“・・・うん、・・・やってみる”
そしてゴソゴソと、シーツがこすれ合う音がして・・・、
“・・・今何時?”
「6時半ですよ。朝早いんですね」
“今日も仕事が目白押しなんだよ。・・・ああ、目が覚めた、ありがとう”
言葉がはっきりしてきた。
「いいえ、このくらい何でもないです。今日も一日頑張ってください」
“ありがとう、また夜に電話するよ。じゃあね”
「はい」
ふう、一仕事終了。・・・確かに声は小さかったけど、そんなに不機嫌そうじゃなかったし、大丈夫だった。
・・・そう、次はいつ会えるのかな?近々ウチに挨拶に来るとは言っていたけど・・・、明後日はBlue Ribbon Day。先輩にプレゼントを渡したい。