朝起きて携帯を見ると大体、希が寝る前にくれたメールが入っている。
“早いな、もうこんな時間だよ。・・・この調子だと、1週間、1ヶ月があっという間に過ぎてしまいそうで怖い。もっと1日、1日を大事に過ごさないとね。今日は7時に起こして”
今度はいつ会えるのかな?でも、このメールが来たのが2時半。なのに7時に起きるだなんて、普通に考えても睡眠時間が短いのに、メールの後すぐに寝たとも思えない人に、会いたい、だなんて言い出せない。けど、せめてものアピールをしてみようかな?
午前7時。いつものように、電話をかける。
プルルルル・・・。プルルルル・・・。プルルルル・・・。プルルルル・・・。
出ないなぁ。
プルルルル・・・。プルルルル・・・。プルルルル・・・。プルルルル・・・。
“・・・・・・”
「おはよう、希」
“・・・・・・おはよ”
「さて問題です。希が前回学校に来たのは何日前でしょう」
“・・・え~っと、木曜日だったと思うから、・・・っていうか、今日は何曜日?”
分からないのはそっちのほう!?・・・で、水曜日だと教えてあげると、
“火~、月、日、土、金、木で、6日前だ。お前、問題の出し方うまいな、おかげで目が覚めたよ”
毎日、希の目が覚めるようにと何かしらのクイズを出しているわけだけど、正解したことに満足されるだけじゃ、出した意味がない。
“いや、待て。もう一週間近くも会っていないわけか。・・・そっか、ゴメン。忙しかったから・・・”
よかった、ちゃんと気づいてくれたんだね。しかも凄く申し訳なさそうな言い方。
「ううん、謝ってほしかったわけじゃなかったの。私のほうこそゴメン、毎日電話ではちゃんと話せているのに、困らせるようなこと言って」
ああ・・・、朝からこんな展開になるなら、言わなきゃよかった。言ってもどうにもならないもんね。希はこれからもっと忙しくなる。でも誕生日にはちゃんと会えるんだから、それまでは我慢しないと。
“ううん、深雪には、それを言う権利があるよ。それに、言ってもらってよかった。俺の周りには普通じゃない感覚の持ち主しかいないから、言ってもらわなかったらずっと気づけないままだったよ。どう考えても、6日も恋人に会えていないのはおかしいよな”
「・・・希は、会いたいって思わなかった?」
“いつも思ってたよ。3日くらい我慢できないようじゃダメだと思ってたから言わなかったけど、・・・それが6日も経ってたなんて!武力行使に出る!”
え~、ちょっとちょっと、大丈夫?