1/28 (土) 20:00 驚きの連続

夜、王宮から迎えに来られたのは加藤さんで、予告通り希からの手紙を親に渡した後、向かった先は、住宅地にある一軒家だった。…何?普通の家だけど?と思っていたら、希が迎えてくれたから驚いた。

“Welcome to our Second House.”

え?もう始まってるの?

“Thank you for having me.”

“I’m glad to see you again.”

…さすが希、徹底している。恐るべし。

「…でも、折角来てくれたのに、そんな顔をさせたいわけじゃないから、まあ少しずつやっていこうか。あ、靴はそのままで、こっちにどうぞ」

うん…、ありがとう。…とドアの向こうに連れて行ってもらうと、それはエレベーターで、かなり下まで下り…、出ると、遊園地にあるような小型の電車が停まっていた。

「これに乗るの?」

「うん、俺もつい最近教えてもらったばかりなんだけど、あの家と宮殿は、この電車でつながっているんだ。響殿下も、息抜きというか密会のために使われていたようだよ。…もちろん、国家機密だから内緒な」

そりゃそうだよね。世の中、裏では凄いことになってるんだ…。

でもホントに、しばらくしたら電車が止まって、またエレベーターに乗り込んで、希が「自室」と言ったら、ドアの先には宮殿の希の部屋が広がっていた。…信じられない。

「会いたかった.…今日は遠慮せず一緒に過ごせるな」

希は私を抱きしめてキスをする…。確かに、本当に二人きりになれたのは久しぶり。

「まずはゆっくりご飯を食べよう。とりあえずお互い、日頃のストレスから解放されてリラックスすることが大切だよな。時間はあるし、余裕のないところを見せて深雪に嫌われたくないし…」

「だから、私が希のことを嫌いになるなんて絶対ないって。希って自信があるんだかないんだか…」

「でも、もう大切な人を失いたくないから…」

あ…。リビングには、響殿下ご夫妻の写真が飾られていた。確かに…。私も希を失いたくない。

「今日は、俺のためにそばにいて…。わがままでゴメン」

そうだよね。希のほうが、心を痛めているよね。

「いいよ。一緒にいよう」

そして、二人で食卓につく。

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