4/16 (木) 15:00 視線その2

とりあえず教室でも、上柳さんとは話ができるようになった。とは言え、今度はまたそのことで男子から目をつけられた模様。視線が冷たい。・・・でも、何だか逆にバカバカしくてかわいそうになってきたので、気にしないことにした。いいんだ。僕には信頼できる人がいるから、それで十分。学校もなかなか大変なものだ。

宮殿生活で、僕は散々、冷たい視線に晒されてきた。僕が教育を受け付けなくなってトラブルを起こしてから、陛下は極力人目に触れないようにと僕を閉じ込めた。だから、対人関係には未だに問題があることは確かだ。しかし僕も、高官ともなれば人と接する機会が多くなるので、社交性を身につけなければならない。よって、僕の落ち着きを待って徐々に宮殿で人に会うようになったのだが、いかんせん僕はただの子どもだ。完全なる大人社会の中にありながら、いずれは僕のほうが出世することをよく思わない人もたくさんいる。

しかし、実力社会だと思えばそんなことは辛くなかった。僕には生まれ持った素質と、英才教育を受けたという経緯がある。勝負はこれからだ!・・・見返してやる。

という状況に比べれば、所詮親のすねかじりである高校生を見ていると、張り合いがなくて面白くない。僕を警戒するよりも他にすることがあるだろう?共同生活はできるだけ穏便に楽しくしたほうがいいに決まっている。高校生活は今しかないのに・・・。もったいない。しかしそんな高校生の実情を知ることができたというだけでも、収穫だと思わなくては・・・。

午後からは新入生歓迎会があり、卒業生の方々がクラシック音楽を演奏してくださった。・・・心地よいメロディー。でもふと朝霧を見ると、少々厳しい目つきになっていたのが気になったのだけど・・・。

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