6/25 (木) 14:30 ホームルーム

早くも、9月に行われる学園祭に関する決め事があるそうだ。クリウスでは3日間を文化祭、そのあとの1日を体育大会と後夜祭に当てるそうだが、文化祭ではクラスごとに何か出し物をするそうだ。・・・試験や夏休みを挟むから、決めるのは今のうちということか。

ちなみに演劇部は、全国大会が終わってから、残りの夏休みに新作をつめていくそうだ。そして兼古先輩は早くも、生徒会長選挙に向けて準備があると言っていた。学校もなかなか大変みたいだ。

にしても、決まらない。我がクラスにはれっきとしたクラス委員がいるのだけど、みんなのやる気がないために、意見が出なくてすっかり困ってしまっている。そもそも、学園祭ではどんなことが行われるのか1年生にはよく分からず・・・、僕などには更に分からないので、質問するのもためらわれる。でも、このまま無駄に時間を過ごすのはもったいないので、口を出してみることにする。

「話を聞いていると、クラスで店を開くか、展示をするか、講堂で何かを発表するかってことだよね。まず、その3つのどれにするか、多数決を取ってみたらどうかな?」

挙手くらいできるだろう。僕としてはお店を開くとかは面白そうだけど、準備が大変そうだからね、と思っていたら、展示をすることに決まった。・・・一番ラクそうだ、納得。

「それでは、何を展示するかなんですが・・・」

クラス委員が言いかけたけど、意見があるとは思えない。

「クラスで1つのものを作るか、あるテーマに基づいて個人がそれぞれ作るか、単純に個人が何かを持ち寄るか。でも、ただ何かを展示するだけでは見るほうも面白くないと思うから、持ち回りでお客さんをもてなすことは必要だと思う。例えばおいしいコーヒーを淹れてあげるとか、お菓子を出すとか、占いをしてあげるとか、芸を見せるとか。その辺を考えながら、手を挙げてほしい」

「ちょっと待って。そこまで考えるんだったら単純に、喫茶店にしてみたらどうかな?個人のネタを考える必要もないし」

・・・おいおい、蒸し返すのか。

「それは言えているかも。飲み物と簡単なお菓子くらいなら調達できるぞ」

「絵を飾ってみましょうよ。石塚くんって絵を描いているんでしょ」

・・・あ、何だか意見が活発になってきた。

「クラス委員、もう一度多数決を」

「はい、じゃあ、喫茶店に賛成の人」

・・・決まり。何だよ、もう。

「沢渡、女の子をたくさん呼び込めよ」

はい?何だって?

「それじゃ、責任者は沢渡くんにお願いしてもいいかな?」

・・・クラス委員に言われてしまった。

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