6/26 (金) 22:30 ナイトショー

僕に欠かせない人はたくさんいる。その一人が仲野さん。・・・彼女は毎朝僕の家まで来て、髪を整えてくれるヘアメイク担当の仕官だ。今僕は議会前のため宮殿にいるので、彼女も楽みたいだけど。

「王子らしくするにはどうしたらいいですか?」

朝のスタイリングタイムに、彼女に相談してみた。

「沢渡さんはそのままでもよさそうですが・・・、夜お時間をいただけませんか?髪型をアレンジすると、印象も随分変わると思います。試させていただいてもよろしいでしょうか?」

「え?例えば?」

「そうですね・・・ウェーブをつけてみるとか、色を変えてみるとか」

・・・想像できないな。じゃあ、お願いしてみようか。

そして、一人で出来映えを見てもつまらないので、朝霧を呼ぶことにした。

「沢渡、化けるね~」

そう?確かに、我ながら不思議な気分だ。いつも真っすぐな髪がうねっている。

「やはり、ウェーブにすると重い印象になりますので、色を変えてみますね」

すると仲野さんはささっとムースの缶を振り、髪につけ始めた。・・・見る間に明るい色になる。

「それ、凄くいい!」

朝霧はすっかり乗り気だ。

「それで、例えばサイドの髪をトップでまとめてみるとか、全体をまとめてみるとか、サングラスもいいかもしれません」

・・・これでは完全に遊ばれている感じがしないでもないけれど、悪くない。見た目が変わると気分も変わるので、役に入り込みやすくなる気がする。

「ネイルもつけてみましょうか。・・・ついでに、スタイリストを呼んでもよろしいですか?」

はいはい、何でもしてください。・・・そしていろいろと試しては写真を撮っていく。いつの間にか辺りには人が増え、しかも完全に周りのほうが楽しみ始めている。

「俺は、これがいい」

・・・結城と来たら、いつの間に。

「そうかな、僕はこっちのほうがいいね」

・・・殿下まで。みなさん、何をしているんですか!

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