7/12 (日) 14:30 どうしたらいい?

そして今日は、沙紀の家で一緒に勉強をしていた。・・・でも出るのはためいきばかりなり。

「何なのよさっきから。彼氏ができて幸せ気分なんじゃないの?」

「明日学校に行くの嫌だな・・・」

「何かあった?」

「・・・沢渡くんにバレた」

「え~!・・・でもいつかはバレることじゃない」

「もちろん、それは分かっていたけど、まだ心の準備が整ってなかったの」

そして、一連の出来事について話した。昨日先輩とは電話で話しただけだったけど、あのキス以来、単に先輩というよりも、年上の男の人という印象が強くなったので、ドキドキするようになったのは事実。その先に進むのは時間の問題かも・・・。でも、今のところは恥ずかしいという思いのほうが先に立ってしまう。

「でも今のままだと、先輩にも失礼じゃない?まゆもOKしたからには、先輩の彼女になりきらないと」

なりきる?・・・演劇部員としてはその役を見事に務め上げないと。そうだよね、今は先輩のほうにだんだん気持ちが傾いてきているわけだから、100%彼女のフリをしていたら、そのうちそれも普通になるのかもしれない。・・・毎日考えていることだけど、沢渡くんを好きでいてもしょうがない。

「分かった、頑張ってみる。・・・でも明日はどうしよう」

言うと、バカねえ~と、私のことを笑った。

「変に意識したら、余計おかしいでしょうが。さっきの繰り返しになるけど、まゆは、園田先輩の彼女です、って顔をしていればいいの。・・・あ」

「え?何」

「そしたら、逆に沢渡くんが、まゆのことを意識するかもしれないよ」

え~、それは、ない、ない。私はブルンブルンと首を横に振る。

「これは私の希望も入っているかもしれないけど、沢渡くんはやっぱり王子さまだし、告白されてOKするタイプじゃないよ。バラの花束を抱えて、告白しに行くほうだよ」

「そんなこと、何で分かるのよ」

「いいから、とりあえずまゆはそのままで。でも、まゆに彼女ができたと知れれば、逆に沢渡くんとしては友達として話しやすくなるんじゃないの?周りから誤解されることもないわけだし」

う~ん。でも、ほら、沢渡くんとはしばらく関わり合いたくないんだってば。今更気を持たれても・・・、ううん、やっぱりそんなことはあり得ないよ。

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