新しい服を着て待ち合わせの場所に向かうと、すでに先輩は私のことを待っていてくれた。
「お帰りなさい」
「ただいま」
そして私にそっとキス。・・・先輩から触れられたら、嬉しくて涙が出そうになってしまった。そんな自分に驚いたりして。
お土産に、とくれたのはピアス。そして私がBlue Ribbon Dayに、とプレゼントしたのはTシャツとタオル。・・・男物のサイズってよく分からなかったから、お店の人に聞いちゃった。
夕食の後、先輩は荷物を車に置きに行って、一緒に歩こうと言った。
「君の夏はどうだった?」
「・・・特に変わったことはありませんでした。大体部活がありましたし、そのほかは宿題をしたりとか、のんびりしてみたりとか」
高校生の夏休みじゃないね、と先輩は笑った。
「しょうがないじゃないですか、先輩はいなかったんですし」
「そうだね、・・・家族旅行はずっと前に決まっていたから、急に抜け出すことは出来なかったんだ。それは悪かったと思う。でもその分、これからは一緒だよ。2学期が始まったら、一緒に学食に行こう。・・・いいよね」
はい。・・・こんなに待たされたんだから、もうコソコソしたくない。
今日の先輩は、運動部とは一見分からないような紳士の出で立ち。きつすぎない爽やかな香りが私を包み込んでくれるので、その腕にすがりつきたくなってしまう。
「先輩。・・・もっと一緒にいたいです。もうどこにも行かないって言ってください」
「まゆちゃん・・・」
次の瞬間、私は筋肉質な先輩の腕に抱きとめられていた。
「・・・もう迷いはないみたいだね」
はい、それはもう・・・。
「僕が大事にしてあげる・・・」
先輩には分かっていたみたい。・・・もう大丈夫。
「私には先輩だけです。・・・先輩のことが好きです」
・・・私のことを好きな人、がいい。