9/3 (木) 18:00 恋の行方

もうすぐ始業式。・・・来週から、私と園田先輩の仲はオープンになる。ドキドキ。そのことを沙紀に言わなければと思って、部活のあとに食事に行くことにした。

「そっか、先輩と順調そうでよかった」

「・・・順調っていうわけじゃないよ、これからって感じかな?まだどうなるか分からない」

「でも、そのピアス似合ってるよ。先輩ってとても趣味がいいのね」

それは私も思う。どんな服にも似合いそうな小ぶりのデザイン・・・小さいダイヤが入った、プラチナのピアス。だって先輩自体とてもおしゃれだもん、任せておいて平気。

「ねえ、私の相談にものってくれる?」

すると今度は、沙紀が控えめに言ってくる。

「どうしたの?」

「・・・朝霧くんって、いいよね」

・・・何だか遠い目になってるよ。・・・となるとそれは、気があるということ?

「朝霧くんってヴァイオリンがとても上手なのよ。酔いしれちゃうとはこのことだよ」

・・・いつの間に。

「朝霧くんがヴァイオリンを弾くだなんて、そんなの初耳だよ。・・・やることしっかりしてるわね」

「そんなんじゃないって。たまたまだよ、たまたま。朝霧くんって彼女いるのかな?」

いなさそうに見えるけど・・・ヴァイオリンを弾いていること自体そうは見えなかったから、私の推測もあてにならないかもしれない。

「そんなに親しいなら、しな~っと聞いてみれば?」

「ヤダ、そんな。恥ずかしい。・・・告白されるなんていいなぁ。だって、主導権を握ってるってことでしょ?」

・・・そんなことない。今は私のほうが付き合ってもらっているという感じだよ。だって昨日は、私の方から告白しちゃったし・・・。

「想いを伝えなきゃ。そうしないと、何も始まらない。・・・頑張って」

「・・・もう、やだな、先輩ヅラしちゃって。・・・でも羨ましがっててもしょうがないから、頑張ってみようかな?」

そうよ。彼氏と呼べる人がいるなんて幸せ。明日からどうなるのかな~、楽しみだけど、また不安でもある。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です