9/11 (金) 13:30 気にしすぎ?

困ったヤツは、あっちにもこっちにもいる・・・。

団体生活が基本の学校でも、みんながそれに従ってくれるわけではない。文化祭の準備にあたり、クラスの出し物なのに協力的でない人間も中にはいる。その筆頭が園田だ・・・。

大企業の御曹司ならもっと、人の使い方とか人との関わり方を覚えればいいのに、生憎他の人間には興味がないらしい。・・・大体、長距離をやっていること自体、俺から見れば変わっている。そのくせ、妙な取り巻き連中みたいなのがいつもいて、彼らに命令することは普通みたい・・・何様のつもりだよ。

そんな彼が、上柳さんと付き合っていると聞いたときは驚いた。上柳さんは初め、明らかに沢渡のことが好きなようだった。しかし沢渡は彼女に気があるわけではなかったようで、結局彼女は園田と・・・。俺はあまり薦めたくない。

園田はこれまでに何人かの女の子と付き合ってきたみたいだが、どれも長続きはしなかったようだ。ルックス的には悪くないし、長距離ではいい成績を収めているし、何せ大企業の御曹司。そんな背景がつくと、人から離れている変わり者も、孤高の人、に見えてしまうらしい。・・・絶対それは間違っている。

とは言え、俺も別に好き好んで話をするわけでも何でもないのでよくは知らないが、あの一見穏やかそうな見かけの裏には、何かがあるような気がしてならない。まず思い浮かぶのは、女の子には冷たいのではないかということ。初めは優しくするのかもしれない、でもすぐに飽きて捨ててしまうのではないか、と。

昼休み、美智と学食に行くと、園田と上柳さんが一緒に食事しているのが見えた。

「祐輔はどうして、園田くんに対して厳しいの?」

・・・別に厳しいわけじゃない。誰がどう見ても、アイツは怪しいだろ。

「でも、こんな風に堂々と学食でご飯を食べているなんて初めてのことよ」

「それは言えてるな・・・。今回は本気というわけ、か」

「そんな言い方しないの。他人の心配をしてもしょうがないじゃない。彼女はちゃんと、今回の役作りのことに神経を注いでいるわ。それよりも、祐輔こそ彼女の扱いに気をつけなさいよ。園田くんからやきもちを焼かれないように」

それって逆にいいかも。園田とだけは付き合ってほしくないんだよな~。俺がアイツでいいのか?って考えさせるきっかけを作ってあげられるといいかも。

「ちょっと!上柳さんのこと気にしすぎなんじゃないの!」

あ・・・。気づくと、美智が怖い顔になって俺を睨んでいた。

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