9/14 (月) 23:30 初めての気持ち

先週で議会が終わったため、宮殿には一気にリラックスした空気が流れてきた。ただし、殿下だけは別のよう。陛下が一週間お休みを取られることになったので、その間国を守らなければならない。そのために、沢渡も宮殿に借り出されているようだ。

・・・沢渡に相談したいことがある。

勝手知ったる彼の部屋。僕はキッチンでコーヒーを淹れて、ソファーに持っていく。・・・これが相談に対してのお礼みたいなものだ。

「それで、どうした?」

最近見るたびにタフになっていくような気がする。それは、有紗さんとの恋愛が順調なのか、部長からの半ばイジメ的な仕打ちをはねのけているからなのか。・・・何だか頼もしい。・・・あ、それで僕の相談なんだけど、

「沙紀ちゃんって、僕に気があるのかな?」

言った途端に、彼は激しくむせた。・・・気管に入ってしまったみたい。

「ホントに、お前はいつもストレートな表現をしてくれるから好きだ」

沢渡は涙を流して笑っているが、僕は真剣だ。

「ゴメンゴメン。端から見ている感じでも、そうなんじゃないか」

やっぱりそうか・・・。でも、どうしたらいいのかな。

「それで、お前は沙紀ちゃんのことをどう思っているんだ?」

「よく分からない」

はっ?と口を開けて固まってしまう。・・・また、僕の言い方がおかしかったかな。

「だから、相談にのってもらいに来たんだよ。どうしていいんだか、全然分からないんだ」

何もかも・・・。

「ちょっと待てよ。それは難しい相談だな。お前の気持ちがどうかなんて、僕に聞かれても分かるわけないだろ?」

まあ、それは確かに。

「でも、もし告白されたらどうするのか、ということは考えておいたほうがいいんじゃないか?受けるにしろ、断るにしろ、彼女を傷つけないような対応はしないと」

そうだよね・・・。それでなくても、毎日顔を合わせるのが、だんだん気まずくなってきている・・・。

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