今日もまた憂鬱・・・。
昨日先輩は、会いたくてたまらなかったという感じで帰りに私をデートに誘い、夜遅くまで付き合わせた。一緒にいる間はとても楽しくて、嫌な気分を忘れることが出来た。先輩のほうも、一緒にいられれば文句はないみたい。でも、家に帰ると親から怒られ、すっかり気持ちがめげてしまった。
今日はまだ先輩に会っていない。昨日みたいに待ち構えられていたら困る。明日はデートの約束をしてあるのだから、それまで待てないのかな。
お昼の応援に行こうとすると、清水先輩が私のところにやってきた。
「上柳さん、ちょっとお茶しに行かない?」
部長なのにいいのかな?と思ったけれど、先輩の優しい眼差しに見つめられたら、その気持ちに甘えたくなった。
「園田くんとうまくいってないの?」
・・・誰の目から見ても明らかなんですね。
「別に二人の間に踏み込むつもりはないんだけど、上柳さんが傷ついているように見えたから。・・・大丈夫なの?」
大丈夫なわけありません・・・けど、先輩に助けてもらうわけには・・・いかないのです。・・・と思ったら、泣けてきた。とめどなく涙が流れる。
「すみません・・・」
「いいのよ。ただ、あなたのことが心配なの。・・・何か嫌なことをされたの?」
「嫌なこと・・・と・・・いうか、束縛するん・・・です」
「それで、祐輔の応援をしてくれている上柳さんのことを、面白くないと思っているわけね」
私はうん、と頷く。
「私が思うに、付き合っていて苦しい思いをするくらいなら、きっぱり別れてしまうべきよ。人は幸せになるために付き合うんじゃないかしら?」
「でも・・・悪いこと・・・ばかりじゃ、ないんです」
「でも、いいようには見えないわよ。別れたほうがいいわ」
部長は改めてはっきりと言い切った。