続いて、沢渡が朝霧に説得されて葛藤するシーン。
朝霧:最近おかしいよ。何かあったんじゃないのか?
沢渡:(言動がおかしい)そんなことないよ。どうしてそんなことを聞くのかな?
朝霧:君の様子を見ていたら分かるよ。急にぼぉっとしたり、かと思うと急に感情的になったり。今までそんなことなかったから、みんなも心配しているよ。
沢渡:みんな?
朝霧:そう、クラスメートとか、兼古先輩とか。
沢渡:兼古先輩?・・・(急に頭を抱えてわめき出す)
朝霧:どうした?具合でも悪いの?
沢渡:・・・(朝霧の手を振り解いて)僕は兼古先輩にはめられたんだ。・・・もうどうすることもできない。
朝霧:何がどうしたって言うんだよ。
沢渡:(急に笑い出す)・・・これが現実だよ。みんな、まともそうに見えるけど、それは見かけだけで、内側は汚れて腐っているんだ。君だってそうじゃないのか?僕のことを心配するフリは見せても、本心から僕のことを心配しているわけじゃない・・・。
朝霧:何てこと言うんだ。一体どうしたんだよ。(沢渡を揺さぶる)
沢渡:(諦めた様子で)気休めはやめてくれ。そして、もう僕には近づかないほうがいい・・・。
朝霧:そんなわけにはいかない。僕たちは友達じゃないか。君が苦しんでるのを見て放っておけるわけなんかない。(沢渡を抱きしめる)
沢渡:友達?・・・友達って一体何なんだ?・・・僕にはもう信じられない。(その手をはねのけ退場)
沢渡は退場するなりその場にしゃがみこんでしまったので、声をかけにいく。
「沢渡、凄く良かったよ」
「先輩にそんなことを言われても、すぐには立ち直れませんって」
本音とも冗談ともつかない言葉を言われては、苦笑するしかないじゃないですか。