11/2 (月) 20:00 依頼

部長は週末の間にビデオの編集をしてくださり、今日はその上映会となった。・・・けど観るのが怖い。僕としても、どうしてあんなことになってしまったのか分からない。兼古先輩との掛け合いが多かったのは嬉しかったけれど、それ以上にマイナスのイメージが多かった。

でも意外と客観的に観られたので驚いた。僕の役的には日常からかけ離れたものだったので問題ないし、僕たちがいがみ合っていたのも少し前のことのように思えたし・・・。でも今後、敢えてこのネタに触れようとは思わないだろうけど。

そして配られた次なる台本は、陪審員を主人公にした名作舞台をアレンジしたものだった。これだったら、みんな大人の振る舞いが出来るのではないだろうか。

部活が終わり帰ろうとした時に、上柳さんから声をかけられた。

「今日ちょっと時間ある?」

残念ながら、今日は用事があって・・・。

「いいの、急に言った私が悪かったのよ。また今度にするわ」

じゃあね、と手を振っていく彼女。・・・どうかしたのかな?様子が変だ。

それでも仕方ないので、宮殿に帰る。・・・今夜は殿下と食事させていただくことになっているので、着替えて、街へと出る。

「一緒に外で食べるのって久し振りだね」

はい・・・光栄です。

「会ってもらいたい人がいるんだ」

僕などを紹介していただけるんですか?

「彼は僕の友人でカメラマンなんだけど、いい被写体を探していてね。沢渡くんのことを話してみたら、気に入ってくれたんだよ」

モデルですか?

「鷲塚です。殿下からの話通り、被写体にはもってこいですね。・・・ぜひ写真を撮らせてください」

殿下?

「彼がそう言っているんだから、撮ってもらったらどう?」

・・・しかし何故この忙しい時期に?でも殿下からお願いされては断れない。素人だけどいいのでしょうか?

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