このところ、全くもって目障りだと思うのが、園田。自分を中心に世界が回っているとでも思っているのか、マイペースで、なおかつ時々偉そうな態度に出られるから困る。
・・・もう今日こそは我慢できない、と思って、休み時間に話をすることにした。
「園田、もう少し協調性ってものを持てないのかよ。ここで敵を作ることは、お前の将来を考えると決していいとは思えないけどな」
それでもヤツは、ヘラヘラと薄ら笑いを浮かべているだけだった。
「他人の心配をしている暇があるのかな?・・・生徒会長さん。兼古祐輔は、学生時代、偉そうな態度で他人の領分を侵しては迷惑がられていた、と証言するよ、僕は」
テメー。
「その言葉、そっくりそのままお前に返してやるよ。学校行事には参加しない、取り巻きをはべらせて偉そうなフリをする。・・・一人では何も出来ないくせに、よくもそんなことが言えたものだな」
「どうしてそれがいけないんだよ。クリウスは個性を伸ばしてくれる学校だろ?」
「履き違えるなよ。・・・このままじゃ、お前が困るんじゃないかと思って心配してやったのに、バカみたいだな」
「余計なお世話だね」
・・・本当にバカバカしくてやってられない。同情の余地もない。
「別に俺は、お前の評価が地に落ちようが関係ないが、周囲の人間を邪魔するのはやめてくれないか?お前がマイペースを貫きたいならそうすればいい。ただし、一人でやるんだな」
「別に生徒会長の助けなんか必要としていない。今後、関わらないでくれるのは嬉しいよ」
・・・バカも休み休みにしろって。
「でも一つだけ言っておく。好きでもないのに女の子と付き合うのはやめろ。特に、後輩を泣かせるなんて最低だ。男の片隅にも置けやしない」
ほぉ~、と、今度は強気な表情に出てきた。
「君は、同じ彼女で満足なのか?学校では君が一番偉い人だけど、プライベートでは彼女にタジタジなそうじゃないか。そうか、それが君の本来の姿であり、そうすることが望みなんだね」
ふざけんな、テメー!・・・でもここで手を出してはいけない。コイツのために停学なんか食らってしまったら、立ち直れなくなる。
「俺は誰にも迷惑はかけていない。それどころか、お互いを高め合ってこそ、付き合う意味があるってものだ。それをまだ知らないなんて、もったいないな」
このヤロー、テメエ!とヤツが俺の胸倉をつかんだところで、・・・担任が入ってきた。