11/15 (日) 17:30 罪の意識

「ごめんなさい。まさか寝ているとは思わなかったから」

・・・それは僕も同じだった。いくら休みとは言え、昼の1時まで寝ていたとは我ながら驚いた。しかも、寝起きの最悪な声を聞かせてしまい、恥ずかしいことこの上ない。

「疲れていたみたい。・・・気にしないで」

そして僕たちは、とある海沿いのカフェに来ていた。・・・僕にとっては久々の外出だ。

「部活は順調よ。早く沢渡くんにも入ってもらいたい」

そうだね。・・・でもこのところ台本を読んでないな。大丈夫かな?

「ところで、兼古先輩はどんな様子?」

「先輩自身は停学にはならなかったけど、注意を受けたみたい。・・できれば思い出したくないけど、・・・園田先輩って、以前はそこまでひどい人ではなかったと思うのよ。・・・私のせいなのね、きっと」

彼女は思いつめた様子でうつむく。

「君にした仕打ちのことを考えれば、当然の報いだよ」

「そうだけど!・・・そうなんだけど、私も園田先輩にひどいことをしちゃったのかな?って考えると、いたたまれない気持ちになるのよ。私のことを好きで、凄く優しくしてくれたのに、・・・私は気を紛らわすために付き合っていたのよ。・・・ひどい話だわ」

・・・うまくいくことを願っていた僕も同罪か?・・・つまりそれは、僕が上柳さんをフッてしまったからで。・・・やっぱり今日は来なければよかったかもしれない。

「上柳さんが気にすることないよ。今は部活に集中しよう。前回いろいろ迷惑をかけてしまったから」

「だったら、沢渡くんも来てよ。・・・二週間も何をしているのよ」

「それは・・・、いつかその時が来たら話すよ。僕だって結構大変なんだ」

「じゃあ今だけ、お互い大変なことは忘れよう。・・・外に出よう」

・・・結構寒いよ。外は陽が落ちてきたし、海風も吹き荒れている。・・・でもこれも、自分がしたことへの報いかな?

彼女は僕の腕に自分の腕を絡めてきた。このくらいはしょうがないか。でもだんだん震えが伝わってきて・・・、僕は肩を抱いてあげることにした。少しでも罪の意識が消えるように。

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