僕はそのまま宮殿探検へと出かけた。
まずは朝霧の部屋に行き見せてもらうと、赤地に白字で“情熱”という意味の言葉が書かれていた。・・・言語も違うんだ。
そして朝霧も一緒に、今度は結城の部屋に向かった。
「Tシャツ?・・・ああ、もらったよ」
結城も、朝霧同様まだ着ていないようで、折り目がきちんとついたまましまっていた。結城のは黒地に白字で“統制”という意味の言葉が、また違う言語で書かれていた。
「他にもらったのは誰かな?」
ここまで来ると、明らかに単なるお土産ではなく、作らせたものだろう。たまたま同じデザインなんてありえないのではないか?
「竹内に聞いてみたらどうかな?」
こういうことは側近がよく知っているだろう。
「申し訳ありませんが、どなたにお渡しされたのかは、存じません」
そうかも。だって殿下は、直接僕の部屋まで渡しに来てくださった。でも竹内さんもお持ちだということで見せていただくと、薄い緑地に緑字で“環境”と書かれていた。
それならと加藤のところに行ってみると、薄い青地に青字で“空間”と書かれていた。
他には・・・失礼ながら、陛下のところへも伺った。
「ああ、もらったよ」
白地に黒字で“繁栄”とある。
陛下は皇后さまの分も教えてくださった。白地に水色字で“優美”と書かれているそうだ。
僕のTシャツには、紺地に白字で“飛躍”
そして殿下のお部屋に伺った。
「あっ、そう。気づいたの?」
なんて穏やかに微笑まれている。殿下もご自分のをお持ちなのだろうか?と思い、伺うと、
「ダメ。君たちはまだ全部見つけたわけじゃないから」
と、教えてくださらなかった。・・・また次回に持ち越しか。