11/27 (金) 13:00 近況報告

そういえば兼古先輩ともこのところ話をしていなかったので、一緒に昼食を取ることになった。もれなく、清水先輩、朝霧もいる。

「最近変わったことはないか?」

と心配しているのは先輩のほうだった。・・・園田先輩とのその後をまだ聞いていないのに。

「こんなことを俺が言うと本当はマズイのだけど、俺は完全に園田家から睨まれているらしい。でもたかが子ども同士のケンカじゃないか、何も親が出てくることはないんだよ」

そんな事態になっていたんですか!

「でも、ウチの親父ははっきり言い切った。“私は何もしない”って。・・・それが嬉しかったよ、だって俺に任せてくれてるってことだからな。・・・とは言え、何も出来ないのが悔しいんだけど」

・・・その点、僕の場合、実家自体が相手にされていないのだと思う。いいんだか、悪いんだか。

「アイツな、部活も辞めたらしい。クビになったのか自分から辞めたのか、その辺りはよく分からないけど、よくない方向に進んでるんじゃないかって気がする。そのエネルギーの発散場が学校っていうのはやめにしてほしいよな。・・・大丈夫だとは思うけど、手は出すな。アイツのせいで停学になんかなったら、バカバカしいぞ」

僕もそう思うけれど、上柳さんは一発殴ってやりたいと言っていた。・・・でも、園田先輩も上柳さんと同じ立場だからなあ、恋が実らないなんて悲しい。・・・そうさせているのは僕なのだけど。

「ところでお前、最近上柳さんと仲良くしているそうじゃないか」

またそんな。急なネタ振りですね。

「友達として相談に乗ってあげているだけですけどね」

へえ~と、興味深げに清水先輩と顔を見合わせている。

「変な気を持たせるなよ。親切心が仇になることもあるから」

「そこまで心配していただかなくても、大丈夫です」

「そうかあ?・・・それか、いっそのこと付き合っちゃえよ」

何言ってるんですか!

「お前、Pink Ribbon Dayは?」

「ちゃんと渡しましたよ」

「何を?」

・・・それはちょっと言えませんけど。

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