12/6 (日) 23:00 きっかけ

僕の友人が近々結婚することになったので、彼と飲みに行くことにした。・・・が、遅刻してしまった。

「ごめん遅れて。頑張って来たんだけど」

「いいよ、皇太子殿下相手に誰も文句なんて言えない」

「これ、ささやかだけどお祝いにと思って」

残念ながら結婚式には出席できない。よって、今日会うことにしたのだ。

彼とは仕事を通して知り合ったのだけど、今ではプライベートでも付き合っている。

「結婚したらどうなると思う?俺的にはあまり変わらないんじゃないかと思うんだけど」

それはいきなり失礼な話じゃないか?・・・まあ、長く同棲していたそうだから、気持ちも分かるけど、

「でも、同棲のままでもいいのに結婚に踏み切ることにしたわけだから、君なりに変化があったってことじゃないのか?」

「俺は別にどっちでもよかったんだ。でも彼女のほうがしたいって言い出したものだから・・・」

それは僕の結婚とは大違いだ。僕が結婚するとなると、国を挙げての大イベントになってしまうのだから。

「でも僕にとしては、結婚するとなったら気持ちはかなり変わると思うな。だって、彼女の家族のことまで考えてあげなければならないわけだから」

「俺はあんまり気が進まないな。彼女と結婚するんであって、彼女の家族と結婚するわけじゃないから」

「でもそんなことを言うと、彼女が悲しむんじゃないかな?」

「・・・結局は、彼女を喜ばせるためには何でもしてしまうんだな、この俺は」

そうか、まだ彼は家族を持つことについてあまり深くは考えていないみたいだ。でもきっかけは何でもいい、今後実際に結婚生活を続けていけば、おのずと考えることになるのではないだろうか。

「そうだよ、まずは彼女を幸せにしてあげて」

「うん、それは分かってる」

「子どもは?」

「今はほしくないけど、出来てしまうんだろうな、そのうち。・・・俺はいい父親になれるかな?」

「それは、自分でどうにかするものじゃないのかな?」

すると彼はフッと笑った。

「俺は、貴久よりはいい父親になると思うぜ。・・・一緒にいる時間は長いだろうし、マスコミの目に晒したりもしないから」

・・・そういうこと言わないでくれる?そうか、マスコミの目か。それはよく考えてあげなければならないな。

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