でも一応、メールを出しておいた。
“場所が悪かったことは謝る。ゴメン”
火に油を注ぐようなことにならないといいけど。
そして学校に行くと、ロッカーや机の中に手紙がたくさん入っていた。・・・あの、みなさん試験なんですよ?こんなことをしていないで、勉強したらどうですか?ということで、帰りの車の中で開いてみると、
“お渡ししたいものがあります。明日の放課後・・・に来てくれませんか?”
ってこれは!
「誕生日プレゼントを用意してくれているみたいだね」
・・・朝霧、お前は見るな。一応2、3通開けてみたところ、どれも同じような内容だった。まいったな、明日は無事に帰れるのだろうか。
でもそれ以上に気になることがあった。上柳さんの様子・・・。メールの返事はなかったし、今日も昨日と同じような態度だった。今はそっとしておくのが一番なんだろうな。一応、謝ったことで僕の気持ちは少し楽になった。あとは彼女次第・・・だけど、相変わらず沙紀ちゃんとは話していないみたいだし、一人でいるところを見ると心が痛む。・・・部活が再開したら、どうなるかな?
そして僕は手紙を順番に開けた。・・・でも上柳さんからのものはなかった。
「ねえ、まるで失恋した人みたいなためいき、つかないでくれる?欲しいものはちゃんと得られる予定なんでしょ?」
そうだけど、気になるんだからしょうがないじゃないか。
「何だかんだ言って、いつも上柳さんのことを気にしているよね」
「それは責任を感じるからで・・・」
「でも、これまでフッてきた他の子には、そこまで執着してないよね」
執着?・・・僕は上柳さんに執着しているのか?
「違う。彼女は近いところにいるからやりにくい、それだけだよ」
ああ、折角の誕生日なのに、だんだん気が重くなってきた。