試験が終わった。でも気になることがあった。それは、みんなの上柳さんを見る目が違っていること。・・・彼女がかわいそうだ。
彼女とは一言も話さなかった。それどころか、彼女は僕のほうを見ようともしない。今日も試験が終わると逃げるように帰ってしまったし。
ほとぼりが冷めるまでは仕方がない・・・。
そして帰ろうかと思ったら、沙紀ちゃんがやって来た。
「まゆに何を言ったのよ」
・・・二人の仲は、今悪かったはずでは?
「場所が悪かった、それは認めるよ」
いつも僕なら、もっと考えてから言っていたはず、と今なら思える。何故か急にイライラしてしまって、思ったことをそのまま口に出してしまっていた。
「それを謝ったの?」
「一応メールは出しておいたよ」
だから、どうして沙紀ちゃんがそこまで・・・。
「沢渡くんの気持ちも分かるけど・・・、もう少しうまく立ち回れないものなのかな?それじゃ、またね」
そして、おそらく由利くんの元へ・・・。