1/12 (火) 23:00 協力依頼

夜、僕にも何か出来ることはないかと、結城を探しに行く。すると、

「今日のところはまだいい。みんなが疲れて来た頃には、助けを求めるから」

と、あっさり追い返されてしまった・・・つまらない。せめて、録画してあった議会中継やメディアの報道をチェックしておくか・・・このくらいしかすることがない。けど、これがいずれは役に立つはずだから。

僕の今年の目標は、仕事の面で認めてもらうこと。財務長官の引き継ぎは今のところ順調で、中川長官からはいつもお褒めの言葉をいただいている。だったら何か特例があってもよさそうなものだけど・・・なんて結城に言うと即座に追い出されてしまいそうだから、これまた内密に、でも準備は着々と進めておかないと。

そんな時、電話がかかってきた。・・・兼古先輩だ。

“沢渡、ちょっと協力してほしいことがあるんだよ”

何ですか?毎日会っているのに、わざわざ電話で言わなければならないことですか?

“美智とケンカしちゃってな・・・”

はい・・・。

“ホントに、凄く些細なことなんだよ。それくらいで怒らなくてもいいんじゃないかとは思うんだけど・・・”

はい・・・。兼古先輩にしては珍しく、歯切れの悪い言葉が続いている。

“もちろんケンカは俺たち二人の問題だし、大して珍しいことでもないから何とかするけど、部活にまで影響が及ぶのはマズイと思って。・・・アイツ、ケンカし出すと俺とは口を聞かなくなるから、その反動が沢渡のところに行くと思うんだ。だから、あらかじめ謝っておこうと思って”

はあ・・・、それは別に構いませんけど。

「それで、協力してほしいことというのは何ですか?」

うん・・・、と、まだまだ躊躇っている感じがある。

“確かに俺の理解が足りないのかもしれないけれど、男と女は基本的に違う生き物じゃないか。俺は俺なりに頑張っているんだから、もっと認めてくれてもいいと思うわけだよ。・・・それでだ、沢渡がもし同じ状況になったらどんな行動をするか教えてほしいんだ。お前にも彼女がいるって言ってたから、説得力があると思って”

なるほど・・・、でもお役に立てるかな?

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