1/13 (水) 18:00 悩みのタネ

「昨夜は悪かったな」

今日の先輩は笑顔だ・・・つまり仲直りしたということ。しかし僕は夕食に誘われた。

「俺の予想通りだよ。沢渡の例を出したら、一発だった。・・・何だかんだ言って、成績がいいヤツのことは信用するんだよ」

あのあと質問されたのだけど・・・僕も先輩と同じ意見だった。と同時に、こんなことでも女性は怒ってしまうのだ、と勉強になった。

「成績なんて関係ないでしょう」

「いや、関係あるよ。アイツが沢渡のことを認めている要素に、絶対それもある。・・・アイツにはどこか人を見下しているところがあるんだよ。俺との関係だってそう。俺の出来が悪いからこそ、面倒を見ているっていう優越感が満足につながっているのだと思う」

そんな・・・。先輩が僕から見るととても凄い人ですよ?

「でも俺は男だから、主導権を握りたいって思うのは普通じゃないか。このままずっとこうなのか・・・と考えると、正直気が重いところがあるんだよな」

それは耳が痛い話だ。僕なんて年上の女性と付き合っているわけだから、一生頭が上がらない。でも、甘えられるところもあるから、今のところは嫌だとは思っていない。

「それって、どちらが先に告白したのか、ということも関係ありますか?」

ああ~、と、またまた頭を抱え込む。

「大ありだよ。俺が付き合ってもらっている、というのは、アイツの脳には今でもしっかり刻み込まれているんだ」

その点僕は、有紗さんの方から告白されたという点で、少し気が楽なのかもしれない。

「だからもっと、俺のことを認めさせたいんだよ。アイツは沢渡には一目置いているのに、どうしてこうなのかね?」

「でも別に、今のところは別れる気はないんですよね」

「ああ、今のところはな。でもなまじ付き合いが長くなると、改めて事を起こすというのがだんだん面倒になって来るんだよな」

「誰か他に魅力的な女の子が現れない限り?」

そう!それだよ!と先輩は大きく頷いた。

「仲直りはしたけど何か悔しいから、今週は俺に付き合ってくれない?」

・・・先輩の頼みは断れません。

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