2/12 (金) 22:30 末路

そして議会はあっという間に解散することになり、1ヵ月後に選挙が行われることになった。・・・しばらくは世間が慌しくなりそうだ。

しかし、それにしても、疲れが目に見えてたまっている。

「竹内、僕は大丈夫そうに見えるかな?」

やっと帰ってきて執務室にたどり着いたところで、竹内に聞いてみる。

「目の下にクマがくっきりと。そして、10歳くらい老けたようにお見受けいたします」

・・・ある程度はメイクさんにお願いして直してもらうにしても、危険な感じがする。本当にこのところ眠れない。ドクターから睡眠薬をいただいているのだけど、睡眠の質はよくない。

「ドクターをお呼びしてまいります」

「いや、ちょっと休めばよくなるから。・・・結城を呼んでくれる?」

「かしこまりました。少々お待ちください」

竹内はてきぱきと部屋を出て行く。すると入ってきたのは沢渡くんだ。

「今日の分の報告に参りました・・・が、殿下、大丈夫ですか?」

いきなり沢渡くんが言うとなると、相当危険かな、僕は。

「この報告が終わり次第、一旦部屋に帰るよ。手短に話して」

「はい、かしこまりました」

そして沢渡くんはいつものごとく、簡潔に、明瞭に、一日の出来事の中で気づいたことを話してくれた。・・・沢渡くんらしい視点と興味の持ちように、笑みがこぼれてくることもあれば、耳が痛いと思うこともある。

「響」

すると、結城が硬い表情で飛び込んできた。

「もう少しで終わるから待ってて」

結城は苦虫を噛み潰した様子で、ソファーに腰を下ろす。そしてチラチラと沢渡くんの後ろ姿をうかがい、報告が終わるとすぐに彼を下がらせた。

「顔色が悪いぞ。医療室に連れて行く」

「部屋がいい。少し休めばよくなると思うから、眠らせて」

解散したんだ、しばらくはいいだろう・・・、何だか急に疲れが押し寄せてきた気がするよ。

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