2/14 (日) 23:00 愛の力

「お前の回復力には目を見張るものがあるよ。元気そうになってよかった」

昨日は日が暮れてから、しかも無理のない仕事しかできなかったけれど、今日からは完全復帰。

「やっぱり、毎日の睡眠が大事だよね。改めてドクターと相談することにするよ」

毎日ぐっすり眠れれば体調を崩すことなどなさそうなだけに、今回のことはやや反省している。

「よい心がけだ。お前は一人しかいないんだから、気をつけてくれ」

うん、分かっている。・・・ところで、

「一昨日、僕はどうなったの?倒れてしまったの?」

結城の顔を見たらホッとしたのか、その後のことはよく覚えていない。・・・ベッドで目覚めるまでは。

「本当に覚えていないのか?」

「うん・・・もしかして、僕を運んでくれたの?」

何だ残念だな、覚えてないのか・・・と、結城は何やら急に残念そうな顔になった。・・・もしや、お姫さま抱っこをしてくれたわけでは。

「心配するなって、俺は沢渡しか抱きかかえたりしないから」

・・・あの、沢渡くんのほうが、断然身体が大きいんですけど。

「やっぱり、沢渡くんに対する愛情は、度を超えていない?」

「どうして?俺はそうしたいからするだけだ。・・・それに、響には倒れる心配がないから、そうする必要もないし」

はあ?

「だから・・・、別にお前は倒れたりしなかった。フラフラしていたけど、ちゃんと自分の足で歩いていたからな」

ああ・・・そういうこと。これはますます、倒れるわけにはいかないね。昨日のことでさえ舞は結構嫉妬していたみたいなのに、結城のことまで意識されてしまったら大変だ。・・・いやいや、僕の発想は相当物騒だな。それより言うべきことが。

「舞を呼んでくれてありがとう。おかげで早く回復したんだ、きっと」

「だろ~?やっぱり愛の力は偉大だよな」

・・・あの、一人で納得しないでくれる?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です