7/6 (水) 18:00 自信

昼休み、学食で部長に相談を持ちかけたら、放課後部室に来てほしいと言われた。

「はい、これ。コピーしたのがあったから、あげるわ」

ありがとうございます。これまで私は、自分の演技を見るのが嫌いだった。でも自分の演技がよく分からなくなってしまっている今、そんなことを言っていてはいけないと思って、地区予選のときの舞台を撮影したDVDが見たいとお願いしたのだった。

「でも、そもそも何があったの?・・・うまくいってないの?」

え?・・・あの・・・、それは私たちのことを知ってるというわけですか?

「凄いよな、深雪ちゃんは。あの沢渡がニコニコしっぱなしだもんな。アイツ、そのうち自分からバラしてしまうんじゃないかと、こっちがヒヤヒヤするよ」

え~!兼古先輩、そんなこと言って。・・・私には、沢渡先輩がそんなにニコニコしているようには見えないんですけど。

「沢渡先輩に申し訳なくてしょうがないんです。ピアノの練習をしているんですけど、全然うまく弾けないし、・・・なんて言うか、何をしても集中できないというか、ダメな自分に気づかされるというか」

「つまり、沢渡くんのフェロモンに当てられてしまっているわけよね」

えー!部長、そんなにはっきりと!そして私が衝撃を受けている間に、部長と兼古先輩は何やら相談を始めた。・・・いつ見ても先輩たちは息がピッタリで、そして沢渡先輩のこともよく知っているような感じがする。

「じゃあ、明日の昼休み、部室においで。沢渡に会わせてあげるから」

え?

「深雪ちゃんも聞いたと思うけど、アイツ今凄く忙しいみたいなんだ。でも学校には来るという話だったから、昼休みに部活のミーティングをするということにしておけば、二人は問題なく会えるわけ。沢渡とのことで悩みがあるんだったら、直接聞いてもらえよ」

・・・でも、この間も役に集中するようにと言われたところだし、合わせる顔がないですよ。というか、面と向かって顔を合わせるのが恥ずかしいなんて言えないし。・・・だって、兼古先輩がこんなに近くにいるだけでドキドキするんですよ。

「深雪ちゃん、もっと自信を持って。・・・沢渡くんが深雪ちゃんのことを好きになったのも分かる気がする。私から見ても、一生懸命な深雪ちゃんは眩しすぎるくらいだもん。だから、沢渡くんの前ではもっと堂々としていていいと思うわ、それだけの魅力が深雪ちゃんにはあるから」

部長・・・、そうですか?・・・自信。また言われてしまった。だって私の周りの人は凄すぎるから、自信をなくして当然みたいな気がしてしまう。自信ねえ・・・。

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