9/19 (月) 23:30 期待の高まり

演劇部としての準備は土日の合宿ですべて終わらせた。そうしないと、兼古先輩は生徒会長としての仕事に、僕もクラス委員としてクラスの出し物の準備に取りかかれなかったからだ。でも、それらの準備も、やるだけのことはやった。

学園祭の主なスケジュールとしては、

20日(火)・・・午前、演劇部公演「新たなる一歩」 午後、クラスの手伝い

21日(水)・・・午前、演劇部公演「光と影」 午後、朝霧のヴァイオリンリサイタル

22日(木)・・・午前、演劇部公演「新たなる一歩」 午後、クラスの手伝い

23日(金)・・・日中、体育祭 夜、演劇部ミスキャスト上演会「ボディーガード」

となっている。クラスの出し物はカジノになった。もちろん少額でのやりとりだし、機械を投入するまではできないので、ディーラーとブラックジャックをしたり、空きテーブルではお客さん同士、カードゲーム、ボードゲームに興じてもらう。

大変なのは二日目かな?新作「光と影」の上演があり、その後、ミスキャスト上演会の抽選会がある。更に朝霧からはリサイタルで一曲共演してほしいと言われているので、それもまた緊張する。

ボディーガードの台本は先日すでに配られたのだけど、どの役が当たることやら。去年の木の役みたいな悲しい経験は二度としたくないけど、こればかりは何とも言えず・・・、でも、後夜祭は学内限定だし、余興なので、盛り上がればそれでいいんだ。深く考えなくてもいい。

「沢渡、忙しいのは分かるけど、できるだけクラスにいてくれよ。クラス委員としての務めはきちんと果たしてくれよな」

分かってる。逆に、お客さんが集まりすぎて混乱することがないように、仕官の手も借りることになっているくらいだ。

「沢渡さん、悪魔のヘアメイクの構想が完全に固まりましたので、お任せください」

仲野さんは、僕だけでなく他の部員たちのヘアメイクもフォローしてくれることになっている。どんな路線にするかは、殿下や結城も加わってあれこれシミュレーションをしてみたのだけど、僕としては一つに絞り込めなかったので、後は仲野さんに任せることにした。ちなみに、王宮のスタイリストさんたちにも協力を仰いでいる。

「沢渡さん、今日はゆっくりお休みください。私も、沢渡さんのご活躍ぶりを楽しみにしております」

仲野さんによるフェイシャルケアの後は、加藤によるボディケア。

「うん。・・・どのくらいの人が来るのかな?事故だけは起こさないように、気をつけてね」

「はい、かしこまりました」

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