“殿下とのお話、楽しかったですよ。顔が腫れてなくてよかったです”
昨日殿下と収録した「H-K Time」が先ほど放送された。それで電話をしたのだけど、また敬語に戻っていた。
「うん、顔は大丈夫。見てくれてありがとう。じゃあね」
そして電話を切る。ああ、どうしてうまくいかないんだろう。・・・今は引け目を感じて敬語になってたのかな?じゃあ、もう一回。
「明日、生徒会長立候補のための手続きに行くつもりなんだけど、他に候補者がいないみたいなんだ」
“じゃあ、無投票で当選ってわけですね!”
「うん、そうみたい」
・・・「切」ダメだ。本気で覚えてないのかな?・・・と思ったら、深雪から電話がかかってきた。
“あの~、今時間ありますか?”
「うん、時間はあるけど?」
“敬語のこと怒ってるんですよね、・・・今は難しいですって。私、あんなに派手に叩いちゃったし、申し訳なくて”
やはり原因はそこか。
「あのね、あの『ボディーガード』自体、俺の中では封印しちゃったから、何もなかったのと同じ。あんな姿、二度と見せないから」
“え~、あんなに綺麗だったのにもったいない。DVDを何度見てることか”
「綺麗とか言うなよ、俺は男なの。見るなら、『光と影』にしろよ」
“いやだ~、悪魔役の人が怖すぎるんだもん。思い出すだけでまた泣いちゃうもん”
「そしたら俺が慰めてあげるから。・・・いや、余計に泣かすかもしれないな」
“先輩って、ホントにサディストですね・・・”
「それは、褒め言葉として受け取っておきましょう」
・・・なんだ、ちゃんと言葉を使えるじゃないか。これなら大丈夫だな。・・・次はいつ会えるかな?会いたいよ。夜会うにはどうしたらいいのかな?