彼から昨年のテストをもらったのだけど、
「その間違っている箇所は、わざとだから」
という恐ろしい言葉を聞かせていただいた。・・・ホントに!?綺麗な字で、サラサラ~と書いてあって、“わざと”間違えた箇所には赤字で訂正が入っている。
「この答案は、途中式が物凄く綺麗に書いてあるね。そのまま模範解答として使えるよ。素晴らしい」
先生も思わず見とれるほどの絶品。でも、いつまでも眺めていたってダメ。私にはまだ、過去問に取り組むだけの学力がない。まずは公式を覚えて・・・、解き方の手順を押さえて・・・、暗記系もやらなきゃいけないし・・・。
そんな感じで一日は過ぎ、気づけばもう真夜中近く。一体今日は何時間勉強したのかな?さすがに頭が疲れたのでベッドに横になると、ゆうこが首筋をなめてきた。・・・うわっ。
昨夜はお泊まりじゃないから大丈夫かと思ったけど、彼は夕食のあとに私をどこかに連れて行き、身体を求めてきた。・・・まだ2回目。慣れるわけなんてない。・・・なのに、彼は慣れてる。今までどんな人と付き合っていたのかな?周りの様子からいってクリウスの人ではないと思うけど・・・、すると王宮の人かな?王宮の人だとすると・・・、彼よりは年上の人ということになる。でも、今までに何カ国かに留学したことがあると言ってたから、そのときの人とか?
う~ん、でもそんなことを知ってどうなるの?彼は今私のことだけを見てくれていて、何度も甘い言葉を囁いてくる・・・私のほうが、そんなに言わなくてもいいよ、と思うくらいに。彼のほうは私が初めてだったってこともごく自然に受け止めてくれていて、昨夜も気を遣ってくれた。彼はそれで満足なのかな?私はまだ痛がってばかりだけど、それでいいのかな?・・・でもそんなこと聞けない。
そんなときに電話が鳴った。
“もしもし、今何してた?”
「テスト勉強に疲れて一休みしてるところ。今日はホントにたくさん勉強したんだよ」
“そっか、テストの結果が楽しみだな。・・・いい点が取れたら、ご褒美にデートをしよう”
ホント?だったらもっと頑張るよ。・・・でもそれって私の身体目当てなのかな?
「今度学校にはいつ来れる?」
“今週は壊滅的だな。試験も別室でまとめて受けさせてもらおうと思っているし、殿下が戻られるまではゴメン”
そっか・・・。でもテレビで見られることは増えるかな?・・・何だかんだ言って、私も会いたくてたまらない。とにかく一緒にいられればいいか。