1/16 (月) 19:00 やるせない気持ち

未だに信じられない。先日も、希の誕生日のときにご一緒させていただいた両殿下が、お亡くなりになるなんて。しかも、新婚旅行からお戻りになる途中でだなんて…。

響殿下はそれこそ王子様のようで、いつも素敵で、テレビの中で拝見するだけで胸がいっぱいになる、別世界の方だと思っていたのに、何故か今ではお知り合いになることができて、年明けにも、新年の挨拶メールをいただいてしまった。そして舞妃殿下も、私が怪我をして宮殿で治療していただいたときに話をしに来てくださり、とても気さくで優しい印象を受けた。 Continue reading “1/16 (月) 19:00 やるせない気持ち”

1/15 (日) 23:00 決意

実は、プライベート用の携帯電話を見ていない。多分、深雪を始め、先輩方からも連絡が入っているだろうとは思うのだけど、見てしまったらまた泣いてしまいそうで。

深雪も悲しんでいるに違いないし、僕のことを心配してくれているに違いない。だけど、構ってあげられるだけの心の余裕がない。 Continue reading “1/15 (日) 23:00 決意”

1/14 (土) 1:00 自覚

そういうわけで、今日は結城が僕の部屋に泊まってくれることになった。いつもなら、僕が結城の部屋に行くのだけど、今は殿下のピアノがあるここの方が、この状況を打破するためにはいい。

「結城、ピアノの練習に付き合って。…僕が取り乱したら、落ち着かせてくれる?」

「だから、そんなに無理して弾かなくてもいいって」 Continue reading “1/14 (土) 1:00 自覚”

1/13 (金) 19:30 ピアノの調べ

両殿下の国葬は17日、皇太子の即位の儀は18日に、そして元々16日に開会予定だった議会は、19日からということになった。即位に向けての準備が着々と進んでいるが、その前に殿下の国葬で、朝霧と一緒に、殿下がお好きだった曲を演奏することになった。正直あまりにも思い出が多すぎて、演奏することができるかどうか心配だけど、朝霧がいてくれれば何とかなるような気がして、お願いした。 Continue reading “1/13 (金) 19:30 ピアノの調べ”

1/12 (木) 16:00 お土産

結城が帰ってきた。

「悪いな、大事なときにそばにいてやれなくて。でも責任を持って、響と舞さんを連れ帰ってきたぞ」

両殿下のご遺体は損傷が激しく、現地で荼毘に付されたとのことだった。そして、僕に小さな箱を差し出す。

「響の妹さんから、やはりお前に持っていてほしいということで、預かってきた」 Continue reading “1/12 (木) 16:00 お土産”

1/9 (月) 22:00 前夜

今日から新学期。冬休みは深雪と過ごす時間を時々作りながらも、議会のための準備を集中的に進めることができた。両殿下は明後日帰国される。楽しそうな写真が一度だけ送られてきたけれど、お二人の時間を楽しまれているのか、それ以外は全く音沙汰がない。…僕のことを信頼して任せてくださったのだと思うと嬉しいし、その間の成長を見ていただくのが楽しみで、仕事にも熱が入った。 Continue reading “1/9 (月) 22:00 前夜”

1/7 (土) 12:00 悪い予感

大胆な貴くんに翻弄されっぱなしの私は、面と向かって話をしているだけで何となく気恥ずかしくなってくる。

「舞がそんなにシャイだなんて知らなかったよ」

そうやって私の頬に手を添えてくる様子も、本当の王子様みたいで…、というか、本当にこの国を継ぐ予定の皇太子殿下なわけだけど、今更ながら素敵すぎて戸惑ってしまうというか。 Continue reading “1/7 (土) 12:00 悪い予感”